Speak/Lindsay Lohan

世の中には複数の職業を両立してしまう人がいて、その中にはもちろん役者兼歌手も含まれる。
往々にして、多くの人々は彼ら”2足わらじ”達を否定したがるものだが
いるんですよ、本当にどちらも滞りなくできてしまう人種というのが。
これで更に顔がいい(元が役者だと特に)とか、腹が立って仕方ないけど
世の中そういう人間もいるんだと、そこはもう諦めるしかない。

ただし、2つの職業のうち、どちらがより向いているか?という比較は可能だろう。
そしてそれを考えた時、リンジー・ローハンは間違いなく役者向きだと思うんですよ。
それがこのアルバムを聴いた私の素直な感想。
充分な歌唱力、作詞もする、声がハスキーで特徴的、これらの音楽的才能は確かに素晴らしいが
リンジーの真の魅力はそんなところじゃない。
アルバム全体を通してテーマになっている”10代の女の子の、勝気かつ繊細な本音の世界”
ひとりの歌い手として、完璧にその世界観を表現できている。
しかも、不特定多数の同世代のリスナーに向けつつ、
同時にこのアルバムがリンジー・ローハンそのものだと錯覚させるほどのパワー。
それはもはや、卓越した演技力と呼んで差し支えないものだと感じるのです。

ここで重要なのは、別にリンジーが曲をつくっている訳ではないということ。
何曲か詩を手掛けてはいますが、多くは豪華なプロデューサー陣が集結してつくりあげたもの。
骨格自体はいわゆる”アイドルのお膳立て”でありながら、それを乗りこなすカリスマ性、
このアルバムが目指す方向性を汲み取り、過不足なく演じてみせる女優魂、
私が褒めているのはそこです。
言ってみれば、よく出来過ぎてリアルじゃないというか、
純粋なシンガー・ソングライターには成し得られないだろうエンターテイメント性。
ハリウッドのロマンス映画を見ているような感覚。
でもそれは決して悪い意味じゃない。それほど高精度のポップ・アルバムですよこれは。

とにかくもう、ガーリィ!
グラマラスな容姿を売りにしているし、言動も大人びたところが多いので、
もうちょっと怒ってる雰囲気のアルバムかと思いきや・・・いい意味で裏切られました。
ここで言うガーリィっていうのは、決してふわふわした、夢見心地のようなものではなくて
彼氏の元カノに対してつい喧嘩腰になっちゃうところとか(「First」)
失恋して、相手にとっての自分の価値をひたすら考え続けるところとか(「Something I Never Had」)
恋するふたりに群がる外野にイライラするところとか(「To Know Your Name」)
もうほんとに、普通の18歳の女の子の気持ちを歌ってる訳ですよ。
可愛いし胸も大きいし、恋に困ったことなんてないでしょうがと突っ込もうと思ってたのに
聴いてるうちにリンジーの本心のように思えてくるの。
何故リンジーがティーン女優として人気があるのか、その理由がわかった気がする。

思い起こせば、演劇がミュージカルという形で発展してきたアメリカは特に
”歌って踊れる”ことこそ役者に必要な要素で、今でも映画と舞台を股にかけて活躍する俳優は多い。
そういう意味でも、リンジーが歌手として邁進していくことに、何の不安も抱く必要はなく
片手落ちになるどころかますます、女優業への反映が楽しみになるのだから、
この華麗なる兼業を文句つけて無視するなんて、勿体ないことなんですよ。


1.First
3番目のシングルカット曲で、主演映画「ハービー 機械仕掛けのキューピッド」のテーマソングにも使用。
映画の内容(カーレース)と曲の雰囲気が合ってて良し。
男の子をめぐって、女同士で火花散らしあう様は、同じく主演した「ミーン・ガールズ」を想起させる。
「あなたを見ると自分の内側に火がついて、一番になりたいんだって気付くのよ!」と
パワフルで積極的な姿勢が、非常にリンジーっぽい曲。

3.Simptons Of You
とてもスウィートなポップ・ロック。
この3番から6番までの流れが、女の子らしくて本当に好き。
ピアノの音色が綺麗な良曲。

4.Speak
タイトル・トラックでもあるこの曲は、ビートの効いたややモードな雰囲気。
サビでぱっと開く構成も好きですが、何より歌詞に共感してしまう。
好きな男の子に対して、「口に出して自分の気持ちを話していいのよ」という趣旨のものですが
高圧的な感じは全然なくて・・・リンジーの歌声がやさしく力強い。
Verseの部分
”なんでそう思うの、わかってもらえるはずないなんて
 なんでそう思うの、今夜あなたの愛を私が受け入れるはずないなんて”
という歌詞になんだかとても勇気付けられる。
男女の関係だけでなく、全てに適用されるテーマだと思うし。

5.Over
2番目にシングル・カットされた曲で、映画「アメリカン・ビューティー」をモチーフにしたビデオが印象的。
秋っぽいファッションも可愛かった。
失恋して、心が崩れ落ちていくさまを叫ぶ内容。
リンジー自身もこの曲が一番お気に入りらしい。

6.Something I Never Had
爽やかな曲調だけど、歌詞はやはり失恋に関するもの。
まだ振り向いてくれるかもしれない、まだ事態は好転するかもしれない、と必死に願う自分と
もう既に終わってしまったことを悟っている自分が掛け合っている感じ。
”待ってれば変わるかも””私が読んだ本でもそうだったし””最後は上手くいくものよね”と
言い聞かせてる様が非常にかなしくてリアルです。
”眠ってる時、私を夢に見たりする?”とか長々と問いかけてるあたり、
もう、失恋時特有の惨めさがよく伝わってきてせつないわ。

9.To Know Your Name
有名人の立場を逆手にとって、アイドルの恋愛の難しさを歌った曲。
同じようなことはブリトニーが「Lucky」でもやってましたね。アイドル専売特許。
曲中にカメラのシャッター音なんか入ってて、あざといです(褒めてますよ)

10.Very Last Moment In Time
アルバムで一番好きな曲!
これだけ何回も繰り返してしまうくらい気に入ってる。
バンドが奏でる王道のシンガー・ソングライター系ポップ・ロックですが、
印象的にバイオリンの音がフューチャーされてるのが好き。
リンジーの歌唱も、この曲が一番上手く歌えてるような気がするなあ。
サビでの力強い歌唱がいい。
本編のラストを飾るのにふさわしいせつなく華やかな曲。

12.Rumors
先行シングル、というか、歌手デビューの様子見にリリースされた?一曲。
実際アルバム全体の雰囲気とは趣が異なった曲調で、ボーナストラック扱いになっている。
デビュー時のブリトニー周辺を思わせるようなダンスポップ。
夜っぽい、ほどよく淫靡な雰囲気がたまらんね。
MVもセクシーで、露出度高いファッションでしなったり絡んだり、
更には女子ダンサーを引き連れてミニスカートで踊っちゃう姿なんてアイドルとして完璧。




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