Neon nights/Dannii Minogue

ダニー・ミノーグを姉・カイリーと比較してしまうのは、
やっぱり失礼だろうか。多分本人やファンにとっては居心地の良いものじゃないだろうな。
しかしだ。私はあえてこのレビューでカイリーの名前を出したい。
ただし、”姉妹”としてではなく、個々のアーティスト同士として。
何故ならそれが充分な程に、ダニー・ミノーグの音楽は最先端なのだから。

ここでダニーのプロフィールを軽くさらっておこう。
ダニー・ミノーグ、本名ダニエル・ジェーン・ミノーグは1971年生まれ。
実姉カイリーと共に、幼くして芸能活動をはじめ、90年に歌手デビューを果たす。
その後も本国オーストラリア、イギリスで順調にヒットを放つが、
97年のサードアルバム「Girl」以降、ショービズ界から遠ざかっていた。
しかしこのたび、なんと6年の沈黙を破って遂にカムバック。
トランス・シーンで人気を誇るプロデューサーチームRIVAのシングル
「Who Do You Love Now?」にフィーチャーされ、大ヒットしたのを皮切りに、
先行カット「Put The Needle On It」で全英7位、
続くセカンド・シングル「I Begin To Wonder」でなんと全英2位、
そして満を持して発表したフルアルバム「Neon Nights」が全英8位。
もはや現在のシーンに欠かせないスターのひとりとして復活を遂げている。

ダニー自らが「大人になった私にとってのファースト・アルバム」と呼んでいるように、
この「Neon Nights」は、彼女のポップな面とアーティスティックな面を、
高い次元で融合させた意欲作である。
プロデューサー、ソングライターにはKopri&BlackcellやNeimo、IanMasterson&TerryRonaldなど
クラブシーンで活躍する気鋭たちを起用。
また、ダニー自身も、ほぼ全てのソングライティングに参加するほどの熱の入れようだ。
彼らがつくりだす先鋭的な音楽と、ダニーのルーツである80’sのフレイヴァをミックスし、
エッジィかつ親しみやすいポップ・ミュージックに仕立てている。
更に彼女の妖艶な粘着ボイスが絡まって、実にセクシーでムードある世界が展開。
カイリーの「Fever」はヴィジュアルも含め、白っぽいイメージで統一されていたが、
ダニーの「Neon Nights」のイメージは、その名の通り夜の黒だ。
きらびやかな繁華街のネオン、地下のクラブの猥雑な空気。
それでいて下品にならないのは、ダニーのもつ歌力のおかげだろう。
さすが姉妹だけあって声の質もよく似ているが、
幾分ダニーの方がソウルっぽい(全然ソウルじゃないが)、というかボーカルが太い。
基本的にダンス・ミュージックなので気付きにくいものの、
ダニーは結構歌が上手い。そして粘着ボイスでいて、意外にあっさりとした後味。
そのバランスが「Neon Nights」の世界を、軽く華やかにまとめているポイントだ。

6年という長い歳月は、決してプラスばかりをもたらした訳ではないはず。
ミュージック・シーンにおける自分のポジションが失われること、
容姿やダンスといった能力の衰えの心配、
ホリー・ヴァランス等、10も年下の若く勢いあるライバルたち、
そして何より、姉カイリー・ミノーグの大成功によって更に付きまとう、
”カイリーの妹”という重圧。
それらの不安要素にもかかわらず、ダニーはこれほど完成度の高い作品を作り出した。
つまりそれはダニーが、32歳のダニー・ミノーグ、そのものを受け入れ、
自分自身の現状に打ち勝つことが出来たということ。
今の彼女は、ラメ入りのハイヒールで何だって蹴飛ばしてしまう。
そんな大人の自信が小気味良い快作だ。


1.Put The Needle On It
やたらいかがわしいファースト・シングル(笑)
PVもかなり妖艶。きわどいシーンもあってドキドキ。
単調な曲なのに頭から離れない。

3.I Begin To Wonder
アルバムの中で一番お気に入り。都会的なダンス・トラック。
このPVは今までの中で特に好きですね。ファッションもおしゃれだし、
近未来の都市みたいな、全体の雰囲気がかっこいい。
ところでこのPV、I Begin To Wonder の中国語表記が登場するんですけど
”我開始感到奇怪” 奇怪って(笑)

5.For The Record
とても明るくて楽しい曲。いかにも80’s。
「For The Record」=念のため、という意味。
”念のために言っとくけど、私はあなたが好き”と歌うダニーが可愛い!

10.Don't Wanna Lose This Feeling
サビの後半で入る男性ボーカルの絡みが良いです。
まさに昔のマドンナのような軽めのダンス・ポップ。

13.Who Do You Love Now?
ダニー復活のきっかけとなった、フィーチャリング曲。
このアルバムではボーナス・トラック的におさめられてるみたい。
かなりトランスに近い、アルバムの中では異色のナンバーだけど
個人的にはかなり好きです。
結構歌詞も良い。
”習慣を捨てるのは簡単じゃない
 そこでは自分すら見失っているから”とか。

14.It Won't Work Out
唯一のバラード。
しんみりと寂しい感じがよく出てる。
こういう歌は、やっぱ30代だからこそ歌えるんでしょう。

15.Begin To Spin Me Round
クラブでのインディーズ・ヒットをきっかけに、
レコード会社が権利を買い取り正式にリリースされたという一品。
Dead Or Aliveの大ヒット曲「Spin Me Round」に、3の「I Begin To Wonder」を
そのままのっけたという凄まじいアイディア。
バックトラックがかなり格好良い。ガラスが割れる音とか。クールに踊りまくれます!!

16.Don't Wanna Lose This Groove
こちらはマドンナ「Into The Groove」をネタに、
10の「Don't Wanna Lose This Feeling」をリミックスしたもの。
一部、マドンナ本人の声も使用されており、
マドンナもこのリミックスを気に入ってると発言したそうです。
タイトルも微妙に変える凝りよう。
15と16、日本盤のこのボーナス・トラックはかなりお得!






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