Gutter Flower/The Goo Goo Dolls

私は今「Gutter Flower」のレビューを書いている。これはThe Goo Goo Dollsのアルバムである。
・・・筈なのだが、先に断っておかなければならない。
The Goo Goo Dollsはボーカルを2人擁する3人組のバンドだが、
このCDを借りて、私がMDに録音したのはフロントマンであるジョンの曲のみだ。
よってレビューを打ちながら聴いている「Gutter Flower」は、
「Gutter Flower」であって「Gutter Flower」ではない。
The Goo Goo DollsであってThe Goo Goo Dollsではない。ややこしいけど、そう。
冒頭からこんなことを書いて熱心なファンには憤慨されているかもしれないけど、
結構多くの人が、同じような気持ちでいるんじゃないかなと思ったりもする。
The Goo Goo Dollsのジレンマは、ジョン本人と彼の曲のイメージが
そのまま世間一般に思われるThe Goo Goo Dollsであること、であろう。
裏を返せば、それほどジョン・レズニックが優れたアーティストであるということなのだけど。
親しみやすいメロディとアメリカンロックの王道を追求するサウンド。
繊細な男心が琴線に触れるリリックとジョンの哀愁漂うボーカル。
思わず「ああいい曲だなあ」と繰り返してしまう。
ファーストシングルとなった「Here Is Gone」をはじめ、
派手さはないが男の渋みが伝わってくる佳曲ばかりである。
個人的にはまったのは1曲目の「Big Machine」。
特に朝出かける前に聴きまくっていた。テンションあがるけど哀しい感じ(?)で。
”My heart is reeling.I'm blind and wating for you."
(心はからまわりして目は見えない。それでも僕は君を待ち続ける。)
ってサビのフレーズとかに毎回泣かされながら。大合唱。
解散するかもという噂は複雑なところだけど、ソロであれバンドであれ、
ジョンにはいつまでも、華じゃなくて溝の花でいて欲しい、そんな風に思う。


MG4/Mondo Grosso

Mondo Grossoは厳密に言うと洋楽ではない。J-Clubあたりに分類されるのだろうが
インターナショナル盤が世界24カ国で発売される程のグローバルなアーティストであり、
一般の洋楽ファンが聴いてもなんら違和感をおぼえないクオリティなので、
ここで洋楽と並んで紹介させてもらおうと思う。
Mondo Grossoとはイタリア語で”大きな世界”。DJでプロデューサーの大沢伸一のソロユニットであり、
アルバムはインストゥルメンタル曲と、シンガーをフィーチャーした曲の2種類が収録される。
日本盤のみに収録の「Life」(名曲!)以外は全て英語詩・伊語詩なので
殆ど洋楽的、フュージョン的なアルバムだと思ってもらっていい。
MG4の素晴らしさは、兎にも角にもまずサウンド。
心地よくてつい体が動いてしまうような、でもダンスという程ではない、
絶妙な音作りのうまさ。お洒落すぎる。
実際にカフェで流れているのを何度耳にしたことか。
こういうことを書くと、逆に敬遠してしまう向きもあるだろうが、
あまりに気持ちいいので是非このグルーヴに身を任せて欲しい。
タイトルどおり飛翔していくような「Butterfly」や
都会に出てきた純粋な少女のストーリーを描いたシリーズ作品
「Star Suite T・U・V」など個々の曲も粒ぞろい。
中でも特に名作と呼びたいのが「Life」と「Now You Know Better」。
「Life」はJALの沖縄キャンペーン曲としてスマッシュヒットを記録。
最先端のハウス・サウンドと、逆に”もののあはれ”溢れる歌詞の融合が成功しており、
”あふれだす思い出は 戻れない海に溶けて
 帰れない涙から夢は後戻りをする
 繰り返す星達の淡い口づけをうけて
 いとおしい君の影 浅い眠りを誘ってるそっと”
といった日本語のフレーズも、birdの素晴らしい歌唱によって違和感なく流れていく
ジャパニーズ・クラブ・ミュージックの定義となるべき一曲。
そして「Now You Know Better」。
元Groove TheoryのAmel Larriuxをフィーチャーした、一転してメロウなこの曲は
Amelのささやくような歌と思慮深い詩に、思わず涙さえ出る程。
人生に於ける与えられること、それを受容することしないこと、
ひいてはあるがままの自分でいることの大切さと難しさについて、
ストリングスの演奏をバックにAmelが物悲しく説いていく類稀な傑作である。
このように、ただお洒落なだけではなく、深さを併せ持つのがMondo Grossoの魅力かもしれない。
「MG4」、邦楽ファンだけに独占させるのは勿体無さ過ぎます。


Ashanti's Christmas/Ashanti

クリスマスアルバムを出す=R&Bスターのお約束、という法則にのっとって、
2003年の暮れにアシャンティがリリースしたのが、その名も”Ashanti's Christmas"。
ただしクリスマスアルバムは、元来がオリジナル曲を披露するというよりも
伝統曲のカヴァーをいかに聴かせるか、に重きが置かれるために、
”歌唱力のないAshantiには無理なのでは?”等の意地悪な意見も飛び交っていた。
ところが蓋を開けてみたらどうだ。
普段のコケティッシュでセクシーな”Princess Of HipHop-Soul"の影は微塵もなく、
クラシカルなポピュラーソング6曲、そしてそれ以上に清楚なオリジナル4曲を
慈しむように抱きしめるように、やさしく歌いあげるAshantiのこの素晴らしさは。
星々が静かにきらめく「Christmas Time Again」ではじまり、
ピアノの旋律がますます清廉な「The Christmas Song」や、
子供たちに歌ってあげている姿が想像できる、チャーミングな「Hey Santa」
心から厳かな「Time Of Year」などでじっくり聴かせた後、
「We Wish You A Merry Christmas」で軽やかに幕を閉じる。
無駄を排したシンプルな構成がクリスマスアルバム本来としての意味を高めているし、
何より響き渡るAshantiの歌声が、この上なく心地よい。
ゴスペルのルーツを感じさせる歌いっぷりは、前2作ではみられなかったもの。
まったくこの小悪魔は、アルバムを出すごとに別の引き出しを開けてみせるが
この”Ashanti's Christmas”で、ひとつの完成を見たと言ってもいい。
それ程までに、ここでのAshantiは素晴らしい。
癒しという言葉は軽々しく使いたくないが、それがまさにぴったりあてはまる。
クリスマスじゃないから、という理由は、Ashantiだから、という理由は、もはや無益だ。
1年中、どんな人でも、親しむことのできる佳品である。





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