Dive Deeper/Jade Anderson

自分はタワーレコード発行の雑誌、Bounceの新譜紹介をかなり信用しているけど
まるっきりの新人で、「今月のおすすめ」に認定されるアルバムなんてそうそうありはしない。
ところがジェイド・アンダーソンはこの「DiveDeeper」で、見事にそれをやってのけてしまった。
彼女のその凄さとはいったい何なのか?
すば抜けて歌唱力が高いという訳でも、豪華なプロデューサーがバックアップしている訳でもなく、
むしろこじんまりと、あくまで私的に、自分の意思を貫き通した曲作り、
そして自身の音楽を心から愛し、ナチュラルに歌いあげるその姿勢。
それこそがこのアルバムを、手放せなくなってしまう最大の理由であろう。
どちらかというと内向的な性格であるらしく、アルバム全体はやや暗めなトーンで統一されている。
しかし歌詞自体はネガティヴではない。ティーンらしい傷つきやすい部分も持ちつつ、
前向きに生きていこうとする気持ちが素直に綴られている。
収録曲は全てジェイドがソングライティングを手掛けており、どれもクオリティが高い。
余計な装飾がない分、真のポップとしての普遍性が際立っている。
ハイライトはセカンド・シングルになった「SweetMemories」。
友人達とのホームパーティーを題材にし、友情を賛美するこの歌は、
愛くるしいメロディにジェイドの軽やかなボーカルが重なって、素晴らしい気持ち良さ。
このシングルを友人の誕生日にプレゼントしたところ、
彼女がめちゃくちゃ気に入って、アルバムを買ってしまったほどのキラー・チューンである。
(あわよくばアルバム買うかなーそしたら借りよ!!と思ってプレゼントしました・・・
 許してDちゃん 愛してます)
他にも、ファースト・シングル「SugerHigh」は中毒的なサビのラブソングだし
「ConstantTalking」(歌詞が辛辣!)はクールなR&B調。
そしてタイトル曲である「DiveDeeper」は、ガール・ポップと呼ぶにはあまりに神々しい。
新人ばなれした、というか垢のついていないピュアな才能と感性。
技術的な面もさることながら、やはりこの感性が素晴らしい。
やわらかくガーリィで、誠実で、芯が強くて。
特に女の子には絶対おすすめ。
ベッドサイドに置いて、眠る前にゆっくり聴きたい、秘密の共有者、そんなアルバム。


Border Girl/Paulina Rubio

いかにもセクシー美女!!な悩殺ジャケそのままに、ド級ポップがてんこもり。
パウリナ・ルビオ、メキシコショービズ界のベテランスターによる全米進出アルバム、
「Border Girl」は売れ線ポップでこれでもかと攻めまくる、実に楽しい作品である。
ここでいう売れ線、とは決して悪い意味ではない。最先端の小難しいサウンドではなく、
一昔前、それこそディスコという言葉がはまるような、華やかでエネルギッシュな曲たちは
聴いているだけで明るくなるし、パウリナのルックスで歌われると、更に良い。
リスナーが彼女に求めるスタイルに、ちゃんと余裕で応えてくれている。
さすが芸歴20年を誇る大スターの貫禄である。
大体彼女が30過ぎてるなんて耳を疑ってしまう。
母親が有名な女優であるパウリナは、幼いころから芸を磨き、
伝説的アイドルグループ、ティンビリーチェのメンバーとして活躍。
パウリナの永遠のライヴァルである、あのタリアも在籍したこのグループは
故福沢一郎先生がモー娘。結成の時、つんくに参考にするよう紹介したとか言われてるほど
中南米では人気を誇ったという。(モー娘。の話はどうでもいいが)
そしてソロになってからも着実に活動を重ね、ラテン・グラミー賞も獲得するなど
パウリナはラテンの女王として第一線で輝いてきた。
この「Border Girl」は、そんな彼女のイメージそのまま。
とにかくダンス・ダンス!腰を振らずにはいられなくなるほどの開放感。
大得意とするラテン・アップ・チューンはもちろんのこと、
風通しのいいバラードの表題曲や、Kiss「ラヴィング・ユー・ベイビー」のカヴァーなども収録。
また、それらカラフルな楽曲を、ばっさばっさと歌いきっていく
パウリナの切れ味のいいハスキーなボーカルといったら・・・まさに快刀乱麻!
やっぱオンナはこうグラマラスでなきゃ!!


Meteora/Linkin Park

自分はハード・ロック、ミクスチャー・ロックにそう詳しい訳ではない。
友達にCDを貸してもらうくらいで。
だから他のバンドなんかと比較することはできないのだけど、
やっぱりリンキン・パークはかっこいいと思う。
まずその比較なんてものを飛び越えた、群を抜いた孤高の存在。
そういうオーラがリンキン・パークからは、この「メテオラ」からは漂っている。
とにかくまあ、聴いてて大気圏までぶっとびそうな
チェスター・ベニントンのこの絶唱はどうよ。
チェスターは、USの音楽シーンの中でもかなり好きな男性ボーカルのひとり。
声も綺麗だし、あの体中から果てしなく噴出してくるような歌い方は、
最初に聴いたときさすがに衝撃を受けました。
マイク・シノダの絡みもバッチリだし。多分チェスターの独壇場になっちゃうと
逆に退屈に思えてくるんだろうけど、マイクのラップのおかげで
曲自体のバランスが凄くいい。
全13曲40分弱という駆け足のアルバムだけど、その思いきりのよさが良いと思います。
前作からのシングル・ヒット「In The End」のような、
決定的な楽曲がないのは惜しいが、「Numb」とかかなりかっこいいし、
中盤、8〜10曲目あたりの雰囲気も非常に好き。
あまりに平凡な感想で申し訳ないが、やっぱりリンキンの音楽は
聴いててある種の”無我夢中”状態、トランスというか憑依(?)というか
我を忘れて別世界にトリップさせてしまう。
ここまでリスナーを惹きこませるというのは、それだけで才能だと。
これってやっぱり曲がいいということなのかな。曲というか、リンキン・パークの世界観自体。
動と静、破壊と構築が永遠に繰り返される。
この雰囲気、ちょっと他にはないのではないだろうか。
美メロだとかキャッチーだとかいう以外の、音楽面でない部分のリンキンの魅力。
リンキン・パークは、曲構成自体は非常にハリウッド的だとは思うんだけど
もっと哲学的な部分で、それこそギリシャ(メテオラというタイトルはギリシャの地名から)だの
日本だの、もっと言ってしまえばインドとか、中国奥地(笑)とか
そこらへんのヴァイヴを私は感じてしまう。
それは、アメリカ人が持ち得ないもの――神話世界、ということではないだろうか。
リンキンからは、神話的なエナジーをびしばし感じてしまう。
逆に言えばキリスト教観に支配されていないということ。
こういう核があるからこそ、リンキン・パークは他のバンドと一線を画している気がする。
輪廻転生、永遠に終わることなく繰り返す感じ。
だってリンキンの音楽を「神懸かっている」と形容するとき、その神はイエス・キリストじゃない。
古代神、密教、色即是空、ヤマタノオロチ(違)
ビデオひとつとっても、リンキンのそういう部分は実感できると思う。
それはやっぱりシノダが日系だってことも関係あるはずだし。
ミクスチャー・バンドってのは、そういう意味でも、あるべきだ。





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