Hotel Paper/Michelle Branch

全てのCDを後回しにして、このレビューを書いている。
普通、私は2〜3ヶ月、少なくとも1ヶ月は聴きこまなければ書けない性分なのに、
このアルバムに限っては発売1週間という異例の早さ。
それはひとえに、このアルバム「HotelPaper」が、自分にとって大きな大きな存在となったから。
なので、レビューがどうしても感情的になってしまうのを許していただきたい。

聴いてすぐ驚かされるのは、ミシェルの2年間の成長の著しさだ。
12曲中8曲が自作曲であり、メロディ、サウンドともに厚みを増し、
特にミッド・チューンにかすかに翳るメロウな色彩は出色である。
前作と違い、歌詞は全て実体験によるもの。
基本的には恋愛詩ながらも、随所にミシェルの人生観・哲学が見て取れる。
ボーカルは安定感を増し、特に高音部分のなめらかさは、甘い声と相まって抜群の気持ちよさ。
全体に言えることは――とにかく深いアルバムであるということ。
デビュー時と比べて全てが格段に深みを増している。
特に目立つ曲がある訳ではない、
しかしそれぞれクオリティが高く、それぞれの意味を持ち、ひとつの世界を形成しているようだ。
この「HotelPaper」という世界は、ミシェル・ブランチの2年間の日記のようなものである。
どれもつよく、やさしく、そしてどこかもろさを抱えた曲たち。
デビューしてからの様々な活動、活躍、目まぐるしく色々なことを乗り越えてきた、
アーティストとしての、そして19歳の女の子としての彼女自身。
そんなミシェルの心情がぎゅっと凝縮されており、
特別な主張などなくても、そのリアリティが胸を打つのである。

私の場合、最初に聴いたときはミシェルの成長っぷりにただ感嘆し、
2度目は何度も歌詞カードを読み返し、涙ぐんでしまって、
3度目なんてせつなくて、もうまともに聴けなかった。(全て同じ日)
そしてやっと4度目に、普通に聴けるようになったのだが、
どうして私はこんなにも、感情移入してしまったのだろう。
それは自分がミシェルと同年代である以上に、彼女が本当に、普遍的なことを歌っているからだと思う。
私は、若い子中心に人気がある(らしい)パンクだのパーティー・ロックだのでバカ騒ぎなんてまっぴらで、
更に若い子がドラマティックなバラードとか歌っても全然染み込んでこない訳で、
「キッズの心をわしづかみにした・・・」とか「ティーンの代弁者」とか言われるような人たちに、
共感なんてしないし、はっきり言ってどうでもいい。
でもミシェルの言葉は、ごく自然の、女の子なら誰でも感じ得るようなことを伝えている。
それでいて平凡ではなく、時に心の隙をつかれたような思いさえ感じてしまう。
若いなりに熟考した目線、子供でも大人でもない、曖昧な感情、
そういう本質をちゃんと歌っている気がする。
彼女の表現は決して大仰になることはない。一応、コントロールが効いている。
だけどその分、背伸びしている姿やひたむきさ、誠実さがあいまから滲み出て、
私をずっと泣かせ続けるのだ。

以上のように、さらけだされた悲しさに戸惑いも覚えてしまった自分だったが、
何度も聴くうちに、これは成長したからこその結果である、ということがようやくわかってきた。
ミシェルは吐き出すことで自身の負の感情を浄化し、
リスナーは聴き入ることで自分の負の感情を浄化することができる。
そう、このアルバムの曲は何も、絶望的な内容ばかりではない、
それどころかダメ男に蹴りを食らわすような、痛快なナンバーもたくさんあるではないか。
総合的に考えれば、なんて前向きなアルバムだろう。
そうすると、最初は場違いかと思えたボーナストラックの「The Game Of Love」も、
ミシェルの成長を違う方向から証明づける、この上ないアイテムだったことにも気付く。
大袈裟な言い方だけど、このアルバムを聴いて、私までも成長したような気になる。
2年前、ミシェルのデビューによって沸き起こったガール・ロック・ムーヴメントは、
いまだ衰えるばかりか、なおももてはやされ続けている。
しかし私は断言しよう、ミシェルはこのアルバムで、鮮やかにそれを超えてみせた。
あまたの後発シンガーとの完全な差別化もなされるはずだ。
もはやミシェルをこの枠でくくるのは正しくない。
着実に成長を遂げていく彼女の姿は、全く頼もしいばかりである。

サンタナ曰く「天使のお告げ」で「The Game Of Love」に抜擢されたミシェル。
確かに、彼女が凛々しくたくましくシーンを引っ張っていく姿は、
聖書で度々、天の大軍を率いて登場する、知性と勇気の天使を連想させる。
その名は大天使ミカエル。
ミカエルがミシェルの語源であることは、もう言うまでもない。


2.Are You Happy Now?
デイヴ・ナヴァロをゲストに迎えた先行シングル。
かなり力強いナンバーに仕上がっていて、成長をしらしめてくれます。
特にPVが、すっごく可愛くなってて大人っぽいものなので要チェキ。

3.Find Your Way Back
ミシェルお得意の爽快ナンバー。
アメリカの田舎をドライブ系。
こういう路線はやっぱり似合ってると思うので、これからも歌い続けて欲しいです。

4.Empty Handed
ミシェルによると「特に気にいってる曲」だそう。
メッセージ性の強い歌詞で、アーティストとしての決意みたいなのを歌ってる。
この曲はかなり成長作だと思います。
タフな感じがかっこいい。私もお気に入り。

5.Tuesday Morning
私が泣いてしまった曲はこれ!!
もう、アルバムの中で一番好き!!!
サビがぐわーっと盛り上がるミッド・チューンで、オーケストラも参加。
ミシェルのせつない歌声がやばい。感情の波が襲ってくるようだ。
すーっと消えていくラストもいい。
これ聴くとなんかゆっくり倒れていくような錯覚を受けます。
今でもウォークマンで聴いてると泣きそうになる。

6.One Of These Days
ピアノのイントロではじまる、やっぱりせつない系の曲。
前作で言うと「Goodbye To You」に通じるかな。
歌詞の「私には触れる価値さえなかった?」というところが
えええミシェルちゃん!って感じでした(笑)
高音がかなりグー!

7.Love Me Like That
シェリル・クロウとのデュエット!!
70’sっぽい、クラッシックロックの雰囲気な、軽快なチューン。
若さで迫るミシェルと余裕の貫禄のシェリルの組み合わせが素敵です。

8.Desperately
これも今までは無かったタイプの曲!
メロディ部分で早口なのがかっこいいです。
ちょっとアンニュイな雰囲気で好き好き。

9.Breathe
この曲はみんな大好きでしょう!
突き抜け系超爽快アメリカンロック。
サビの「If I Just breahe〜♪」ってフレーズ最高。気持ち良すぎ!
このアルバムのトップ3のひとつかな。
ちょっと悲しいけど、前向きな歌詞も良いです。

10.Where Are You Now?
聴きやすいミッド・チューンでこれも凄く好き。
しかも大阪で作られたという嬉しい逸話つきです。
サビのメロディがなめらかで聴きやすい。

11.Hotel Paper
「I write mostly on hotel paper」というフレーズから始まって終わる、
タイトルトラックであり、アルバムの方向性を決定付けている名曲。
曲自体は割と抑えめだけど、ミシェルの力強く、ぎこちない歌唱が強く訴えかける。
もうこの歌詞せつなすぎ!!
これは先にネットで聴いたときから大好きでした。
まさに19歳の揺れる心情を描いてる。
2番のサビが終わって盛り上がってラストに突入する前に、
「この風はもしかしたら海からのもの」という一文を挿入してるのも上手いですねー!
やばい。泣きすぎる。

12.'til I Get Over You
本編のラストにあたる曲は、やはりせつないラブソング。
サビにフランス語でコーラスを入れてて、哀愁を誘います。
冒頭の歌詞の「孤独を感じるたびにあなたのせいにできるし、実際そうしてるの」
というところが私は大好きです!
全体的に凄くいい歌詞。

13.Wanting Out
日本盤ボーナストラック。
軽めのアメリカンロックでミシェルの本領発揮!って感じ。
プロデュースはロヴ・カヴァロだし(大好き)
サビの「wanting out!」と言い捨てる(?)とこがかっこいいっす。

14.The Game Of Love
美味しすぎるインターナショナル盤ボーナストラック!
ご存じ、グラミー賞も獲ったサンタナfeatミシェル・ブランチの2002年の大名曲!
もう何回聴いても気分が晴れやかになる曲。大好きですとも。
HAPPYな世界観でほんとうきうきします。
私はサンタナのアルバム買ってたんですけど、輸入盤だったので歌詞は自分で訳してたんですが
今回、訳を見たら割と合ってて良かったです(笑)
candy storeはお菓子の家って訳すべき!  いや、勝手な意訳だけど(笑)
だってそれだとloving storeが愛の家って訳せてスムースじゃないです??

15.It's You
ある意味シークレット・トラック的な曲。
2分ちょっとと短くて、歌詞も載ってません。
やさしい感じの、あたたかい曲です。





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