夜になるまえに

キューバ出身の作家、レイナルド・アレナスの同名小説の映画化。
これは彼の自伝でもあります。
レイナルド・アレナスは作家・詩人としての豊かな才能に恵まれながらも、
同性愛者だという理由でカストロ政権の弾圧を受ける。
友人に頼んで国外出版してもらったり、おたずねものとなって森の中を逃亡したり、
刑務所に入れられても、やっぱり書く事をやめない。
そして、遂には自由を求めてアメリカへと亡命する。
彼はNYで安定した暮らしを始めるが、やがてエイズが発病し・・。
レイナルド・アレナスの生と死を追った、ドキュメンタリー風の映画。
かなり淡々としていて、ストーリー展開が読みにくい。
彼がエイズだってことは映画の中では出てこないし。
正直、見るほうとしてはわかりづらい映画だと思う。
でもこの作品は、きっとストーリーを追おうとする必要は無くて、
アレナスの生きた時代や、絶望や、希望、
そういったものを少しでも感じるためにあるのではないかと思われる。
とにかくキューバの映像が綺麗で感動。
こんなに自由で美しく見えるキューバ、なのに迫害され、弾圧される主人公。
その対比が痛い。
主演のハヴィエル・バルデムはこの作品でアカデミー主演男優賞にノミネートされただけあって、
もう、ホモにしか見えない! つうぐらい凄い演技を見せてくれます。
共演であのジョニー・デップが。意外な二役。
これもかなり見る価値有り。
総合的に言って、雰囲気で見る映画、要するに感情移入しづらく難しい映画。
でも、アメリカのテロ事件以降、自分の社会的知識の少なさが恥ずかしい私。
そんな自分のためには見て良かったと思える。
この後原作も読んでみたのですが、かなり良かったです。むしろ映画より。
あと、原題の「Before Night Falls」っていうのが、
文学的に凄く優れたタイトルだと思う。夜は、おちてくるのだ。


リード・マイ・リップス

予想外に面白かったです。
主人公2人が決して美男美女ではないので損をしている感がありますが
キャスト・内容ともに素晴らしい。隠れた名作。
主人公のカルラは、仕事はできるが地味な容姿と性格のせいで孤独な日々を送っている。
そんな彼女には、難聴ゆえに読唇術という特技(?)があった。
そんなカルラの下にアシスタントが雇われることになるが、
それが窃盗で収容されていた刑務所から出てきたばかりのポール。
身近に若い男を得たことで(冷静さを装いながらも)生き生きとするカルラ、
対してクールで粗野なポール。この2人のキャラが凄くいい。
カルラは地味だけど決して内向的という訳ではなく、
自分の邪魔をする同僚を、ポールをつかって罠に落としたりとなかなか野心的。
最初はそうやって彼女に利用されたポールが、今度は読唇術をもつ彼女を利用する。
この大人の駆け引きが実にスリリング!
近づいたかと思ったら離れたり、湿ったり乾いたり、その絶妙な距離感がたまりません。
お互い本当の目的は隠したまま、利用したり利用されたり。
時に官能的であり、時にコミカルですらある。
この映画は、分類はサスペンスとかラブストーリーになっているけど、
個人的には一種の心理ドラマだと思っています。
社会から微妙に疎外された男と女の心理戦。
読唇術をうまく使うクライマックスも良かったし、
殺伐とした夜の世界から、日が昇って落ち着くところに落ち着くラストも好感。
カルラ役のエマニュエル・ドヴォスは、いわゆる負け犬女の演技が素晴らしかった。
恋愛初心者で、負けず嫌いで、そのくせ少女みたいに純粋な部分があって、
テンションをあげてダークサイドに突っ走っていく姿が実に魅力的。
2002年に「アメリ」のオドレイ・トトゥを押さえてセザール賞の主演女優賞を獲った程の名演。
ヴァンサン・カッセルもその年の主演男優賞にノミネートされてます。
今までヴァンサンのことを、いい俳優だとは思ってもいい男とは思ってませんでしたが
大間違いでした。この作品での彼は本当にセクシー。
トイレでシャツを着替えるシーンなんか最高ですよ。
観終わった後思わずにやっとしてしまう粋な映画だった。
不器用な男女が自分たちなりの幸福論を見出す、という点では
裏”バッファロー66”とでも呼びたい。
関係ないけど Vincent=ヴィンセント、ヴァンサン ですね。


リトル・ダンサー

ビデオを観た両親が号泣(笑)
そんなわけで大プッシュされて見た、「リトル・ダンサー」。
私も結構興味あったし、前から見たかったんだけど。
でも実を言うと、そこまで感動できませんでした。
ビリー君の熱意とか、パパの涙(!)とか、お兄ちゃんとの別れとか、
そういうとこはもちろん心が熱くなったけど、しかし泣くには至らず。
それは、この映画が、「子どもを持つ親向き」だから!
この映画、一見”バレエをはじめた少年の熱意と希望の物語”って感じなんだけど、
実は大人の世界の厳しさ、そして家族愛、親子愛の素晴らしさを謳ったものなんですねえ。
確かにそれは感動に値するものだけど、
働いてなく、未成年で保護を受けてる私にはもうひとつ、越えるものがないのです。
逆にパパママ世代は泣くでしょう。
やっぱり子どもを思う親の姿、っていうのは、自分がなってみないとわかんないよ。これは。
ビリー君は可愛いしバレエ上手いし、お父さんも最高にしぶいし、
その他キャストのレベルが高くて、良いです。
イギリスの片田舎の、さびれた炭鉱の町の描写も、寒々しくて、そして暖かい。
ラストは、私はビリー君が成長しちゃったのがちょっと・・・
有名なバレエダンサー、アダム・クーパーがラスト数秒だけ成長後の姿として出演していて、
親はそっちの方がいい! とか言っていましたが、
ビリー君は可愛いままの方がいいのよ! 私は(笑)
原題は主人公の名前「ビリー・エリオット」だけど、この邦題はすごく好きですね。


猟奇的な彼女

初・韓国映画にして個人的に超超ヒット!!
人に薦めまくってます。もう本当にたくさんの人に見て欲しい。
ストーリーは、優しくて気弱な大学生キョヌが、ある夜駅で酔ってる女の子を助ける。
その上、車内で吐いた彼女の彼氏だと勘違いされ、結局ホテルまで運んであげることに。
でも目覚めた彼女は超気の強くて、乱暴で、正義感溢れるはちゃめちゃな女の子。
おかげで痴漢と疑われ捕まったり、一方的に呼び出されて連れまわされたりするうちに
何となく二人は仲良くなっていくのだが・・・
凄くテンポのいいラブコメ。
主人公2人、そして脇キャラがみんなとぼけててすっごく可笑しい!
男(=キョヌ)の方は、最初は別になんもかっこよくないんだけど(笑)
でもだんだん良さを増してくるの。
そして「彼女」! 彼女の名前はずっと出てきません。そういうとこもセンスいいなあと思います。
彼女役の子が可愛すぎる。仲間由紀絵をもっと細く、小顔にした感じか。脚もほそーい。
目つきがなんともいえずいい!
ストーリー中は絶え間なく小ギャグの連発。ベタだけど笑える。
でもこの映画の凄いところは、めちゃくちゃ笑ってるうちに、
いつの間にかロマンティックムードに突入して、だんだんシリアスな部分もでてきて(笑いと平行で)
彼女が谷を隔てて叫ぶシーンとか、私、マジで泣いてました。せつなすぎて。
主題歌の「I Believe」がまたいいんじゃ!
ラストはもちろんハッピーエンドですけどね。オチが「こう来たか!」って感じで爽快!
難を言えば主人公の独白がちょっと鼻についたかな? 
淡々と言った方が逆に面白かったかも。
とにかく、こんなカップル絶対いないだろと思いつつ、観終ったあとはうっとり&ハッピーが胸を満たします。
そう、このストーリー、実は非常に少女マンガ的。
じゃじゃ馬姫と優しい王子。
でも男の視点から描かれているのでイヤミじゃない。ラブコメの新定番になりそう。
あーもう2003年MYランキングの1位になりそうな勢いです。
突込みどころは多いけど、ある意味既にファンタジー映画なので、軽い気持ちでみるが良し。
ここに、理想の恋愛像があります。


レザボア・ドッグス

ああもう、超カッコイイ!
見終わって思わずひーーって悶えてしまうぐらいスタイリッシュで暴力的、
男の美学が貫かれたクライム・ムービーで大満足!
ちっともハッピーエンドじゃないし、残酷なシーンもいっぱい出てくるんだけど
滅びの美学というか武士道というか、下手すると古臭くなってしまいがちな男性的価値観が
映像や音楽でセンスよくまとめられてて、もう格好良い以外の何者でもない。
クエンティン・タランティーノの初監督作品ですが、今まで見た中ではこれがベスト。
というか、私は「キルビル」ではじめてタラちゃんを知ったような女なので
(映画にはまったのが2001年からだから、活動ペースが遅い監督の作品はなかなかアンテナにかからない)
まだまだ見てない作品がたくさんあるんですが。でも、好きだわタランティーノ。
銀行強盗の計画のため、6人の犯罪のプロが集められる。
お互い初対面で、名前も知らない。コードネームは色。
Mr.ブラウン、Mr.ブロンド、Mr.ピンクというように。
完璧なはずの計画だったが、ひとり警察の犬(=レザボア・ドッグ)がまぎれこんでいた!
そのせいで強盗中に警察に包囲され、各人はそれぞれ逃げ出して隠れ家の倉庫へ向かうが
心中には「誰が犯人か」という疑心暗鬼が渦巻いていた・・・
物語の核になるのは、ホワイト、オレンジ、ブラウン、ピンクの4人。
あとのふたりは最初の銃撃戦で死んじゃうんだったかな。
それぞれハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、スティーヴ・ブシェーミが演じています。
この男達の面子だけで興奮せずにはおれんね!
特にブシェーミ、神経質そうな犯罪者の似合うこと。「ファーゴ」もそうだったけども
主演を食う脇役だよなあ、この人は。
そしてティム・ロスも超かっこよかった!ハーヴェイ・カイテルとダブル主役かな
凛然としてて、ハードボイルドで最高。
ブラウンが警察官を拷問するシーンはさすがにキツいものがありましたが
本筋は凄く真面目なのに、ところどころユーモアのセンスが見え隠れするのがタラの凄さ。
怒涛のラストも泣けたよ。せつなすぎて。かっこよすぎて。
私はこういう、男の生き様的テーマが大 好 き !
ピンクakaブシェーミのオチも効いてます。


連弾

竹中直人監督作品。
資産家だった親の遺産を譲り受けたため、専業主夫として毎日を送る夫(竹中)と
建設会社のキャリアウーマンで、収入は全部自分のもの、料理も洗濯も一切しない妻(天海祐希)。
そして中2の娘と小4の息子。
妻の不倫(7歳年下の部下で、しかも北村一輝!!)がばれたことから事件は起こる。
大喧嘩に継ぐ大喧嘩。そして「離婚してやるっ!!」
妻は、二人の子供を引き取って離婚しようとするが、母の不倫写真を街中でばらまかれ、
それを目の当たりにしてしまった息子は母への嫌悪感を隠せない。
両親の勝手な行動に頭を抱える二人の子供。
娘と母の連弾のピアノ発表会は、目前に迫っているというのに・・・
これ、ミッチーが出てるから見たんですよ。
本当は劇場で見たかったんだけど、時間が合わなかったのでビデオで。
それがすっごく面白かった!!
こういう家族群像? みたいなのは私初めてで。
竹中直人は俳優としてももちろんいいけど、こういう世界の作り手としての才能が凄いと思った。
脚本は、キネマ旬報賞(だったかな?)をとったもので、脚本自体もかなり良い。
新しい家族の形というか・・ 決して、ハッピーエンドではないと思うんですよ。
私は「いつよりを戻すのかな?」って見てたんだけど、結局そうはならずに、離婚するんです。
だけど決して後味は悪くない。
両親に振り回される子供の心情がコミカルに、そして切なく描かれているところがこの作品の醍醐味の一つだけど、
最後は多分子供達も、「親には親の人生がある」ということをわかったんじゃないかなあ。
特に、最後まで母に反発していた息子が、発表会で泣いてしまうところとかは感動的でした。
子供の希望と、両親の現実は決して交差しないんだけど、
これが、今の日本の現状なんじゃないかなーと思いました。
で、この作品で最も素晴らしいのはキャストの皆様方!
特に天海祐希。
彼女の役って、最低なんですよ(笑) 家のことは全部夫に任せて、
貯めた300万円で一気にグランドピアノ購入したりとかして(しかも家にピアノ2台あるのに)
ことがばれた後も、若い愛人と逢瀬を重ねて「あなたって最高」だとか。
なのに、すっごく可愛らしく仕上がってるんです!
奔放な中の弱さとか、特に子供に振られて泣くシーンとか、何故だか憎めないキャラ。
これは彼女の演技の賜物です。(実際主演女優賞とか獲ってたしね)
他にも、子供をはじめ、脇キャラがかなり充実してる映画で。
個人的には佐藤康恵ちゃんの役が可愛いなあと思った。服とかも。
あとねー、ベイベだから言うんじゃなくて(笑)ミッチーがすっごく良いですよ!
今まで見てきたミッチーの役の中で一番好きなぐらい。
彼の役はピアノ教師で娘の片想いの相手なんだけど、面白くて、飄々としてて、ちょっとシニカル。
絶妙なかっこよさ!!
特に発表会のシーンは最高ですね! 舞台に立って観客に生意気叩いて結局泣き出す子供に
「なんでそこで泣く〜!?」って舞台裏から。
ミッチーはこういう2.5枚目の役がぴったりだと思った。
とにかく全体的な仕上がりは最高な映画です。
皆さん一緒に「レッツ・ギョウ!!」(←観ればわかります(笑))


ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間

トールキンの名著「指輪物語」を、SFXを駆使して完全映画化。
悪の冥王サウロンの力の源である”指輪”を抹消するために、
ホビットのフロドを中心とする仲間たちが、果てない旅を繰り広げる。
この第1部は物語の導入としての役割が主かも。
今更普通の批評をしても仕方ないので、ロード・オブ・ザ・リングについては
お気に入りのキャラ、シーンをとにかく語ります。
「旅の仲間」のハイライトは、やっぱサルマンVSガンダルフの翁対決でしょ!!
ガンダルフが正義の側で、サルマンはサウロンの手先。
ふたりは魔法使いで、世界でも有数の力を持ち、識者です。
そして年寄り(爆)
しかーし、白髪白髭の爺さんとは思えない戦いっぷり!!
サルマンの塔で魔法をぶつけ合うんだけど、派手な戦闘をくりひろげてくれます。
元々サルマンの方が強いから、ガンダルフ負けちゃうんだけど。
ガンダルフをイアン・マッケランが、サルマンをクリストファー・リーが演じています。たまらん!
あ、もう語ることないわ(笑)


ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔

前作の最後で、ホビットの4人が二手に別れてしまい、旅の仲間はばらばらに。
それぞれに試練が襲い掛かる第2部。
戦闘シーンがかなり見ごたえある。ストーリー的には一番起伏があって面白かったかな。
終盤部、力をあわせてサウロンの軍をやぶるとことか感動的です。
しかしなんといっても!この「二つの塔」では
ロード・オブ・ザ・リング中私の最も好きなキャラが初登場いたします。
ファーラーミーアー!!
ファラミア大好きっす。ゴンドールの王子なのに影があって一途な男。そしてやさしい。
昔から、パパにボロミアお兄ちゃんばかりが愛されて、
更にそのボロミアが死んでしまったことにコンプレックスを抱いているの。
かわいそうです。かっこいいです。金持ちなのに(なんか違う)影のある男はだーいすき!
まあ第2部ではそこまで出番はありませんが。目を皿にして見ましょう。


ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還

感動の第3部。なんと上演時間3時間超です・・・先にトイレ行ってても意味ないです。
各メディアで絶賛されましたが、私もこの終わり方には好感が持てます。
最後まで細かい波乱がありつつよくまとまっていると思う。
ラストは単なるハッピーエンドじゃないけれども。意外に。
サムはまじでいいやつ過ぎるわ。
「指輪の重荷は背負えないけど、あなたなら背負えます!」泣けるーー
CGも素晴らしいです。映画を見ていて、ストーリーとかキャラ以上に
画の秀逸さに感動したのははじめて。本当によくできています。
CGに溺れすぎず、うまく取り込んでいるというか。監督の技量はこのへんに最も感じた。
レゴラスがマンモス?と闘うところとか、ファンじゃなくてもかっこいいし。
逆にCGじゃなくて、自然の撮影の部分、
特にのろしが山から山へ伝わっていく光景には涙が出た。
とにかく撮影技術は特筆すべきトピックです。こういう点をふまえると、
やはり長い間、映画化されるべき時を待つ価値のある作品だったんだと思います。
ただ難をつけるとすれば、気になることがふたつあって。
ひとつはストーリーで、ゴンドールの王位継承について。
アラゴルンが突然帰ってきて「正統の後継者です」とか言って、
それで国民は納得するのかしら。一代前にクーデターが起きたとかならともかく
国を離れたのはもう何代も昔のことでしょ?別にいいじゃん、ファラミアが王になれば(笑)
もうひとつは、リヴ・タイラーのキャスティングについて。
なんかどうも受け付けなかった。リヴ自身は好きな女優さんだけど、
あまり妖精の姫って雰囲気じゃない気がする。背高いし割とぽっちゃりだし顔長いし(爆)
アラゴルンとのラブシーンがいまいち神聖に見えないんですよね・・・
まあ気になったのはそんなもんです。映画自体はとても質の高い作品だと思います。楽しみました。
キャラに順位つけるとしたら1位ファラミア2位ガンダルフ3位アラゴルンかな。微妙な選択だ。







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