愛についてのキンゼイ・レポート

1950年代にアメリカでベストセラーとなった「キンゼイ・レポート」
その内容とは・・・ずばり人間の性行動について統計的にまとめた史上初の調査。
この映画は、保守的な時代に新風を巻き起こし、研究に人生を捧げたキンゼイ博士の物語。
「キンゼイ・レポート」の内容だけをクローズアップすると、過激な映画?と思われそうだけど
そんなことはまったくありません。真面目で、派手さはないけど深みのある、堅実な作品です。
もちろん様々な性行動や、質問に対する被験者の赤裸々な告白
(「結婚後に妻以外の女性とセックスしたことがあるか?」や「同性愛に興味がありますか?」など)
なんかは映画の中で重要な存在だし、かなり興味深いことになっていますが
映画の本筋は、キンゼイ博士とその妻の、努力と助け合いの一生を追ったもの。
リーアム・ニーソンとローラ・リニーが安定した演技で見せてくれます。
元々生物学者で、ハチの研究をしていたキンゼイ博士が、自らの体験を機に
大学で”結婚講座”を開くようになり、それが大盛況、博士は更なる研究を求めて
何万人にも及ぶ面接調査を実施し、それまで誰も踏み入れることのなかった、性行動の分野に光を差す。
「キンゼイ・レポート」の男性版を発行して、一躍時の人となるキンゼイ博士、
しかし続いて出版した女性版に大ブーイングが起き、社会的な地位を失ってしまいます。
それでも自分の信念を貫き、研究に没頭する博士と妻の姿が美しい。
一口に”性の調査”と言ってしまうと、単にスキャンダラスな、興味本位のもののように感じてしまうけど
博士の研究信念の本質は”生き物は皆違うということ”
その時代の風潮=結婚前は貞節を守り、ベッドを共にする相手は一生涯夫か妻だけ という常識を覆し
人間の考え方や趣向は、人それぞれ違うもの、違って当然のもの、ということを明らかにすること。
ラストで、同性愛者の女性が博士の元を訪ねて「あなたの本のおかげで自分がひとりではないと知った」
と涙ながらに訴えるシーンは、まさに博士の研究が真に成功したと言えるものでした。
また、前半ハチの研究をしながら、キンゼイ博士が
「何万匹と研究しても、一匹として同じハチはいない。つまり生命の原質とは、”違う”ということなんだ」
と言うところが私は非常に好きでした。その通りだと思うから。
そして、これだけ性について研究しながらも、「愛とはなんですか?」と尋ねられたときに
「わからないよ。精神的な愛は未知の領域だ」と答えているのが印象的。
でもその答えは、映画を最後まで見れば自然とわかることだと思うんですよね。


青い春

予告編の、校舎を下から映してて、空に飛行機がぐわっと現れてミッシェル・ガン・エレファントの曲が鳴り響くシーン、
あれだけでもう「見なければ!」と思わされた程しびれた。
端的に言えばとてもヒリヒリする映画。
不良男子高校の3年生、ぼんやりと日々を送る男の子たちの物語。
学校という、ぬるい繭のような安全な場所から、もうそろそろ去らなければいけないことをわかっている。
だけどそう簡単に、やりたいことや進路が決まる訳じゃない。
その苛々と、焦りと、もやもや、有り余るパワー、爆発、そういったものが痛いほど沁みてきました。
これ見たのは確か高2の時だったから余計にかな。
とはいえ私自身は、割と自分の希望がはっきりしていた人間だったので
登場人物たちを見て「ああもう、ばか!」と思ったりもしたが。
とにかく男の子たちがみんな魅力的。
主役の松田龍平は有無を言わさぬ存在感がある。妖艶。
彼が演じるのは何事にも醒めていて、感情を表に出さない九條という役だけど
その九條にも、色々と考えがあるんだということがだんだんわかってくるのがよかった。
甲子園で夢散って、ヤクザの道を進む男の子もたくましくて格好よかった。
かなり暴力的なシーンもあって、ダメな人はダメだろうけど
画もスタイリッシュだし、疾走感があって、ミッシェルの音楽もぴったりで
全体的にクールな感じは非常によろしい。
怒涛のラスト、全速力で階段を駆け上がる九條を
祈りにも似た気持ちで見ていたのは私だけでは無い筈だ。
全てが終わってゆっくりと崩れ落ちる九條、
私は魂を抜かれて、ものも言えずにエンドロールをみつめていたけど
最後の最後に冒頭で撮った写真が出てきて、そこでぐわっと泣けた。
哀しくて痛々しいのに、だからこそ、忘れられない映画のひとつ。




ソーラ・バーチ主演、ハイスクールを舞台にした問題作。
ブレイク前のキーラ・ナイトレイも出演しています。
冒頭、ぼろぼろの格好をしたひとりの女の子が、閑散とした学校に辿り着く。
公衆電話を手に取った彼女の悲鳴がスクール中に響き、パトカーが何台も学校に集まってくる、
という衝撃的なはじまりが既に不安感をあおる。
休み中に失踪した4人の生徒たち、その行方は?理由は?一体彼らに何が起こったのか?
唯一生き残った少女によって次第は語られていくが、真実は別のところにあった・・・
いやほんと、怖かったです。心理的にひやひやするというか。
最初、主人公の話す真相は十分に納得できるもので、なるほど・・・と思っていると
後半で大どんでん返し。もうぎゃあって感じ(笑)
思春期の女の子のピュアな残酷性がテーマとなっています。
ピュアな残酷性って言い方もおかしいかもしれないけど。主人公は結果的には物凄いことをやらかしてるんですが、
悪気があった訳ではない、というか恋のためならなんでもできる、
そういう歪んだ一途さが非常に怖い。
ストーリーとしては、穴も多いし(引っ掛けてません)納得できない意見も多いと思うけど、
私はとにかく女の子の”負”のパワーの威力を感じて怯えて、もう満足です。
映像もかっこよかった。おすすめ。


アナスタシア

一見ディズニーぽいけど、ドリームワークスのアニメです。
どうやらディズニー「美女と野獣」チームが抜けて設立したのがドリームワークスみたい。
舞台はロシア革命10年後のソビエト。
孤児のアーニャは、8歳以前の記憶を持っていないが、前向きで明るい少女。
お守りのペンダントの言葉=パリで逢いましょう、を信じて家族を探しに旅に出る。
偽造ビザを発給してもらうために、街で紹介されたディミトリとウラジミールという男の元へ。
実は2人は詐欺師で、丁度
「ロマノフ王朝の幻の生き残りの娘・アナスタシアを探し出して賞金を貰う」
という計画を立てていた。
彼らは幼いアナスタシアの肖像画にそっくりなアーニャを騙して皇女に仕立て上げ、
3人でパリへと向かうことになるが・・。
これだけだと普通の歴史モノみたい。
これに、10年前悪魔に魂を売って、邪悪な力を得てロマノフ家を滅ぼしたラスプーチンが登場し、
愉快でスリリングなファンタジーが展開していきます。
いやーなんか普通に面白かった!
私は歴史モノの中でも、特にフランス革命〜近代が好きなので、この時代設定はぴったり。
今でも謎とされている皇女アナスタシア、っていうのも惹かれますね。
今までのアニメとは違う、強くて明るい新しいヒロインがアーニャ。
ディミトリを殴るその性格が好き(笑)
ディズニー映画でもいろいろ好きなのはあるんだけど、
このアニメは恋愛がちょっと大人っぽくって、そこも良い感じ。
ディミトリかっこいいよ! 苦悩する詐欺師・・良い、たまらん!
因みにアナスタシアの声はメグ・ライアンが、ディミトリの声はジョン・キューザックが担当しています。
1920年代? ぐらいのパリの画も素敵。
シャネルのお店とか出てくるの。ゴージャス&おしゃれ!
ありきたりとはいえ、ラストも爽やかだし、
おばあさまのセリフ→「いいえ、はじまりよ」っていうのが凄く好き。
完成度の高いアニメだった。オススメです。


あの頃ペニー・レインと

なんで劇場に見に行かなかったんだろう!?
2001年映画ランキング、決める前にこれを見とかないと、と思ってずっとビデオ化を待ってました。
ああ、ほんとに良すぎ!!
映画館で見てたらもっと評価上がってたかも・・・
9ヶ月前の自分を悔やむばかり。
この映画を一言で表すと「SweetBitter」。
甘くてほろ苦い。何がって、物語が、人物が、この作品に流れる雰囲気全体が。
ストーリーを説明すると、時代は1970年はじめ。
15歳のウィリアムは、厳格な母親と二人暮しの優等生。
母との折り合いが悪く家を出た姉の影響で、ロックの虜になった彼は
尊敬するロックライターのレスターに自分の原稿を送る。
彼を気に入ったレスターは、ウィリアムに仕事をくれる。「正直に、手厳しく書け」という言葉と共に。
そして取材でライブハウスの取材に訪れたウィリアムは、そこで圧倒的な存在感と魅力で、ひときわ輝く少女と出会う。
少女の名はペニー・レイン。彼女は、自分はロックスターと寝るだけのグルーピーではなく
音楽を心から愛し応援するバンドエイドだと語る。
またそこで、ブレイク寸前のバンド”スティルウォーター”と知り合い、 ウィリアムの熱心さと的確な批評がギターのラッセルに気に入られる。 後日、業界第一のロック誌・ローリングストーン誌から原稿の依頼をもらったウィリアムは、
ペニー・レインら女の子達と一緒に、スティルウォーターのツアーに同行することになるが・・・
この作品の最もすばらしいところは、作り手の優しさかなあと思います。
脚本・監督のキャメロン・クロウは、実は自分こそ15の時にローリングストーン誌で活躍してて
その体験を元にこの作品を作ったわけですが。
この素材を、もっとエキセントリックな、過激な、猥雑な映画にすることは可能だったはず。
それをあえて、こういう甘酸っぱくてほろ苦くて、懐かしいような気恥ずかしいような、
そしてとても爽やかな余韻を残す作品に仕上げたのは、
ひとえにクロウ監督の技量と、彼のもつ優しさ懐の広さなんじゃないかなーと感じました。
ベタな感動大作とかじゃなくてこじんまりしてるけど、その分パワーをもつ映画。まさに「キラキラしている」。
そのキラキラを、最も表現してくれたのは主役の二人。
ペニー・レインを演じるケイト・ハドソン嬢!! なんかもう可愛すぎて言葉が・・
奔放で、挑戦的で、愛らしくて、チャーミングで。同時にその笑顔の裏に少女としての弱さを抱えている。
彼女に惹かれない人間がいようか、いや、いない!!
ペニー・レインが登場すると、場面が華やかに、そしてしゃきっとするんですよね。
ウィリアムやラッセルが彼女に惹かれた理由は、そのオーラだけで充分。
ケイト・ハドソンはまったく偉業を成し遂げたなあと思います。
そしてウィリアム役のパトリック・フュジット。
ケイトに比べて評価は小さいんだけど、彼がいなきゃこの映画は成り立たなかった! と私は思います。
彼の持つ真面目さ、不器用さ、優しさ、ひたむきさは忘れていた何かを思い出させてくれる。
ウィリアムは、華やかな世界の中でも自分を見失わないんですよ。
その真面目さが、結局ペニーやラッセルたちを救う事になるんです。
ダサい、けど芯の通った強さは凄いと思った。演じたパトリック君も。 彼は山田孝之に似てる(笑)
ウィリアム&ペニーの2人のキャラが、この映画を象徴しています。
その他のキャラも最高です〜! 特にママ役のフランシス・マクドーマンド。
この母親は、「真面目、健全が一番」という感じの人で、ウィリアムにしつこすぎるほどの制限をします。
そして将来は弁護士になれと。
うちの家庭にかぶるところがあるので(笑)私もこの人には反感を持ってたというか、
半ば呆れてたんですね。なんでそんなに干渉するんだよ!過保護なんだよ!と。
なんだけど、物語が進むにしたがって、ママにはママなりの愛があるというか、
本当に息子のことを想って、心配したり悩んだりしているのがわかるから。
親の愛って、「リトル・ダンサー」でもそうだったけどどこまでも広くて、どこまでも深い。
それ故に厳しかったり痛かったりするけど、他には絶対ないもの、絶対なくしちゃいけないものだと思う。
こう思わせてくれるのも、クロウ監督の強さ。
本当に優しさに溢れた映画!
技術的な面では、シーン作りが上手いなあと思って。というか好み。
移動バスで、みんなが「タイニー・ダンサー」という歌を歌いだすシーンはロックを知らない私もすごく気持ち良かったし、
ホテルの部屋で、ウィリアムとペニーが見つめ合う無音のシーンは(実際は女の子達が騒いでるのですが)
女の子達が振り回す洋服のヴィヴィッドな色、半ば呆然とするウィリアム、そして意味深な笑みをたたえるペニーの、
この構図・色彩感覚がとっても印象的。
NYでペニーを追いかけるウィリアムと、黄色いタクシー群を俯瞰するカメラワークも絶妙!
構図や心情、ともに一番好きだったのは自殺しようと睡眠薬を飲んでふらふらになったペニーを抱きかかえ、
ウィリアムがペニーに話し掛けるシーン。
あんなこと言われたら、絶対クラッとくる(笑)
その後、医師たちによって薬を吐き出されてるペニーと、それをみつめるウィリアムの悲しそうな表情の対比とか・・・
ああもうあげたらキリがないっす!!
ともかく技術・ストーリー・キャスト他、ものすごい高水準の映画です。
ラストもすっごい爽やかで、心地良い。
邦題も良いです。哀愁漂う感じで。(原題は「AlmostFamous」=スター街道まっしぐら)
忘れられない映画になりました。
ウィリアムと同じ15歳に、この映画に出会えたことは、運命さえ感じます。


アメリ

この映画はほんと、「アメリ」としか言いようがない!!
他の何とも比べられない映画です。
ロマンスか、ミステリーか、アクションか、はたまたファンタジーか?
カテゴライズできない魅力がここにある!!
アメリは、小さい頃から友達がおらず、空想することが大好き。
そのまま大人になってしまった彼女は、今はパリのカフェのウェイトレス。
ある日、ひょんなことからみつけた、おそらく前の住人のものであろう
アパートに隠されていた古い宝箱。
これをこっそり持ち主に返し、彼を幸せにする事に成功したアメリは
次々と人々を素敵ないたずらで幸せにしていく。
そんな彼女が出会ったのは、ポルノビデオショップの店員でスピード写真コレクターのニノ。
自分の恋にはとっても不器用な彼女、さて、アメリは幸せになることができるのか!?
う〜ん ストーリーを聴いただけでも素敵ですね。
このあらすじを盛り上げるのが、美しいパリの街並みと絶妙なカメラワーク。
パリの感じがねえ、とっても綺麗なんですよ。市場の感じとか、駅とか・・
自然なのにほんとにおしゃれな都市だなあって思いました。
アメリのファッションも可愛い!
主役のオドレイ・トトゥ、予想以上にキュートです。化粧っ気はないのに、可愛い!
大きな瞳がとっても魅力的。
他のキャラもいいですね〜 ニノはもちろん、カフェの女主人、小説家・・
大体この映画、初っ端からめちゃめちゃ飛ばしてるんですよ。すごいテンション!
だってノートルダム寺院の上からカナダ人観光客がママの頭上に降ってきちゃうなんて!?(笑)
部屋の絵や、写真がしゃべったりもする。
音楽、というか音の使い方もすごく好き。アメリの心拍音とか・・
極端なぐらいの演出が、逆に成功しています。
つい感情移入というか、自分もそこにいるような感覚にとらわれちゃう。
あと、意外にブラックなんですよね。シニカルというか、そういうsweetなだけではないところも良い。
色んな要素がぎゅっとつまってるんです。
特筆すべきは全体として、なにかしら「謎」が流れてるところ。
パパの庭の小人はどうやって世界旅行しているのか?
ルノワールの絵の女の子はどうして一人だけ不自然なのか?
そして、スピード写真ブックにたびたび現れる、謎の男は一体誰なのか!!?
特に最後の謎はほんと最高です!!
はっきりいって、ラストよりもこの謎が解けたときのほうが嬉しかった!
「あっ」っと叫ぶ事間違いなし!
とにかく本当に素敵な映画です!
是非色んな人に見てもらいたいです。


アメリカン・ビューティー

これはアカデミーの奇跡じゃなかろうか。
どうして最優秀作品賞にこれが選ばれたのか訳わからん。良い意味で。
なんて感想書いていいのかわからないんだけど、私は好きでした。
この映画中に溢れる毒!毒!!
この映画をブラックコメディと呼ばずになんと呼ぼうか。
色んなところから滲み出てるんですよね〜 「悪意」みたいなのが。
一見そうは見えないんだけど。
この映画の登場人物の中で一番普通だったのは隣人のゲイカップルだったんじゃないのか?
なんか本当にやばいんだけど!
娘! 盗撮されて嫌じゃないのか? 母!不動産キングがそんなに上手いか?
父! そんな二人を放っておいていいのか?
いいんですね〜これが。
みんな変だからそれが普通に見えてしまうという。そうなるともう監督のマジックの手中にいると思ってもいい。
ある意味恐ろしい映画。
お話は、うだつの上がらないサラリーマンパパが娘の友達に恋をして、
自己解放することによって自由になっていく、そしてママは同業者と不倫、
娘はお隣に住む盗撮男の恋人に・・・ という風に進んでいく。
変、変って書いたけど、でも同時にそれが凄くリアルというか
「アリかもこういうの・・・」と思えてしまう。怖い。
でもずーっと見てると、結局みんな幸せになっていくし
個人個人が満足ならそれでいいんじゃないのか? と納得しかけた矢先
パパズキューン!ですからね!!(決してネタばれではない)
「酷いっ」とさえ思ったけど、でもよく考えたらこの家庭はやっぱ「変」で、
自己解放することによる心の自由を容認できるほど世間は物分りがよくない訳で。
これが監督が私たちに向けた、最も皮肉なメッセージかと。
こまかいことを言うと、「影」の表現の仕方が好きだった。
モデルルームで、カーテンから洩れる逆光に映された涙をこらえるママ、
盗撮を密かに喜ぶ鏡に写った娘の微笑など、
随所に利いててどきっとさせられる!!
すごく刺激的な一本です。
因みに、この映画は受け付ける人とそうでない人の差が激しいと思う。
うちの母は公開時に見に行って、文句たらたらで帰ってきて、それで私もずっと見る気しなかったんだけど
大好きなミッチーや鬼束ちひろちゃんがお薦めしてて、これは!と思いまして。
だからこの映画見て全然楽しめなくても、私の責任じゃありません(笑)


アンナ

60年代フランス作品。
私は60年代のカルチャー、ファッション等大好きなので借りてみました。
主演のアンナ・カリーナがすっごく可愛いの!
私は外国人でも、男女とも髪が黒い人が好きなんだけど、
アンナ・カリーナはまさにぴったり。
細くて、瞳が大きくて、愛くるしくてクール!
まさに60’sフレンチ!!
田舎からパリに出て来た女の子・アンナは広告代理店で働く事になるが
駅で、たまたま広告の撮影現場に出くわし、偶然写真を撮られてしまう。
それを見た若社長・セルジュは名も知らぬ彼女に一目惚れ。
何とか彼女を探し出そうと街中に彼女のポスターを貼るが、一向に彼女は現れない。
一方、アンナは、その写真の女の子が自分だとは気付かず(普段は眼鏡をかけているから)
セルジュに密かに片想いするのだが・・
ってストーリー。
ここまでは良いんですよ。
雑誌にも、「おしゃれなラブコメディ」ってよく載ってて、おしゃれなのは認める、
だけどこれコメディじゃないよ!? ラストが未消化すぎて不満たらたら!
つーかわかりにくいんだよね、ストーリー展開が・・
大体アンナはセルジュのこと好きなの? って感じだし、
セルジュは一人で悶々としてて可哀相を通り越して呆れる。
ストーリーはいただけません。
だから途中すっごい暇になっちゃったりもしたんだけど、
もうこれはストーリーを追うのをやめて一種のプロモーションビデオと思うのが乙。
映像は、すっごく斬新。
見どころはアンナのおしゃれ。もう、本当に可愛い!
私のお気に入りはオレンジや黄色のボーダーに、黄色のスカートを合わせてるコーデ。
あと赤の長袖のTシャツに、朱色っぽいミニスカートを合わせて、上からビニールコートを羽織ってるの!
あまりにキュートすぎます。
セルジュもおしゃれだしな。
ファッションブランド・IENAが協賛してます。
音楽も、当時の第一人者・ミシェル・ルグランが手がけているし、
とにかくアンナが歩くパリの街自体が、おしゃれでキッチュでたまんないです。
どっぷり浸かってみたい人は是非。


ヴァージン・スーサイズ

多くのモデルやセレブ達が「超おしゃれ映画!」として絶賛してるから、
どんなもんだろうと思ったんですけど・・
なんか正直つまらんかった。
ソフィア・コッポラ作品だから結構期待してたんですが。
淡々としてて、その実体のないふわふわとした感覚を描きたかったんだろうなあとは思うんだけど、
やりすぎて、なんのことかわからんストーリーに。
題材のセレクトのセンスは好きなんだけど。
あと、5人姉妹を近所の男の子の視点から見るってのも面白い。
面白い・・んだけど、やっぱ微妙にずれてるような・・感じはしましたね。
ラックス役のキルスティン・ダンスト嬢は可愛いっぷり絶好調さね。
私服も可愛かったけど、制服姿は格別だった。
やっぱアメリカとかイギリスの制服って憧れる。女の子がネクタイとかしてて、超可愛い!
どうして彼女達は死んでしまったのか、
なんとなく、なんとな〜くわかる気がするようなしないような。
でも逃げ出そうと思えば逃げられない事もないんだし、
現に頼りない少年達は助けに来てくれたし、
ちょっと考えが甘いんじゃないの? ってつっこみたくならないこともないかも。
これは価値観の違いですかね。
でも多分、彼女達は親を、世間をなめていて、それがだんだん失望に変わって、
最後は絶望へと辿り着いてしまったんじゃないかと思うんだけど。
自分達でも気付かないうちに、傷が広がっていたというか。
恐らく、最初はそういう囚われの状態、みたいなのに甘んじてて。
そういう自分が可哀相で可愛かったんじゃないかと思うんだけど。
それが次第に、抜け出せないぐらい深い穴になっちゃって、
結局逃げ出す術さえみつからなくなったという。
もちろん全部推測ですが。
結構批判してみたけど、でもそういうのってあると思う。自分に甘えてるの。
心地よい痛みなんだよね。女の子独特の、あの、まるで白昼夢のような、
一瞬が永遠に感じられるような、ふと眩暈を覚えるような、
そういう夢か現かわからない世界に彼女達は生きていて、何が正しくて何がおかしいのか
判断能力さえ生ぬるい空気が奪っていく感じ。
共感できたのは、ジョシュ・ハートネット演じる色男が、苦心してやっと四女・ラックスと結ばれたのに、
成就した途端全てがどうでもよくなった、っていうくだり。
あれが、この作品のポイントを最も端的に、鋭く表してるんじゃないかと思います。
彼が惹かれたのは、自分のものにならないヴェールの向こうのミステリアスなプリンセスで、
セックスという生臭い行為は、彼女をただの女に貶めてしまった。
そして彼女もまた、「女の子」という特別な空間でしか、生きることができなかったのだ。
まるで、陸に打ち揚げられた魚のように。


ヴァン・ヘルシング

ヒュー・ジャックマンもケイト・ベッキンセールもウィル・ケンプも好きなので
それだけで合格点をあげたいところですが、うーん、物足りなさは否めない。
元々私はスティーブン・ソマーズ監督の「ハムナプトラ」が大好きで
ああいう、歴史&ミステリーにアクションを絡めた映画に弱いので今回も期待して観ました。
ヴァンパイア、記憶喪失、聖騎士団、そういったアイテム自体は非常にいいのに
なんか、うまいこと料理しきれてなかったなーって感想です。
妙に現代的な部分があって、残念。もっと妖しく、ゴシックな感じにして欲しかった。
最初から続編を念頭に入れて制作しているんだろうけど、
謎をぷんぷん残したまま勝手に終わっちゃうのも観る側としては不服。
ヒュー・ジャックマン扮するヴァン・ヘルシングはもちろん格好よかったですが
もっともっともっと、格好よくできたはずなのになーと思う。
友情とかのリアリティある部分にこだわるのも大切だと思うけど、
ヒーローなんだから有り得ないくらいに格好よくても許されたはずです。
ついでにケイト扮するアナ王女、やたら胸がでかく見えるんですが
地なのか?地だとしてもあんな動きにくそうな衣装はやめた方がいいんじゃないかと思った。
アナが強そうな割に格好いい見せ場がなくてもったいない。
ウィル・ケンプは出番少ないけど予想以上に格好よかったので満足。
あと、狂言回しのカール役のデヴィッド・ウィンハムがナイス演技!
彼はあの「ロード・オブ・ザ・リング」のファラミアの役者さんなのですが
同一人物とはまったく思えない楽しい演技を見せてくれました。ヴァン&カールは次も期待したいタッグ。
息つく暇も無くアクションシーン満載!!の映画ですが、
まじで息つく暇無さすぎ。緩急つけて精神的なシーンとバランスよく配置してほしい。
文句ばっかり書きましたが、さすがハリウッド!的な展開もあってわくわくさせられたし
ヴァン・ヘルシングはとっても格好いいです。


ウェルカム!ヘヴン

大好きなガエル・ガルシア・ベルナル出演〜ということで見てみましたが
逆に主演のペネロペ・クルスの魅力に、一気に気付かされた作品。
今まで大して興味なかったんだけど、この作品でのペネロペは本当に素晴らしい。
スペイン語作品ということで、いつもに増して生き生きとしていて!
役柄的にもこれまでになかったようなタイプで、実に存在感のある魅力を振りまいています。

この世には天国と地獄が存在していて、伝統的にそれぞれ死者の魂を奪い合ってきた、という設定。
ところが最近は人間界が精神的荒廃し、地獄はパンク寸前に人だらけ、天国は閑散状態・・・
そこで、地獄は決定的な勝利をおさめるために、天国は起死回生の一撃とするために、
あるボクサーの魂をかけてそれぞれが工作員を送り込むことに。
天国では有名な歌手だった工作員(ビクトリア・アブリル)は、ボクサーの妻として
地獄ではウェイトレスだった工作員(ペネロペ)は、ボクサーの従姉妹として
天国対地獄の長きに渡る闘いにケリをつけるべく、今地上で火花を散らす!

上記の通り、設定・ストーリー自体は大変に面白いのですが、
ラテン的?というか、あまり細かいところまで描写されなくて、意味不明な箇所も多く
もっとつくりこんでいたらより完成度のたかい映画になっただろうなー、と思うと残念。
主演のペネロペをはじめとするキャスト陣の魅力でもっていた部分は大きいかも。
ペネロペは”がさつで口の悪いワイルド系美女”(!)という設定で、
ファッションもいつになくクール&ロックな雰囲気。
あの可愛らしい容姿で男っぽい立ち振る舞いをするのが、もう本当に魅力的なのです。
天国組=ビクトリア・アブリルとファニー・アルダンの貞淑なグラマラスさもいい。
ガエル・ガルシアは地獄の大臣ジャック・ダベンポート役。まずこの名前がたまらんよ。
出番はそう多くなかったけど、役柄に反して普通の若者っぽい容姿が鼻血ものでした。
ファニー・アルダンとガエル・ガルシアの間に秘密が隠されている風なくだりも小粋。
ラストはややあっけないですが、ペネロペの正体?が明かされるオチはなかなか。
「あんたなんか5分で潰す。」というキャッチコピーも面白い。


ウォーク・ザ・ライン〜君につづく道〜

アメリカで伝説的な存在であるカントリー・シンガー、ジョニー・キャッシュの伝記映画。
日本ではあまり馴染みのない題材ですが、音楽映画というほど音楽音楽してなくて
焦点が当てられているのはあくまで人生とラブストーリーなので、見やすいと思います。
といいつつ、主演ふたりの歌いっぷりはすばらしいですが。
まずジョニー役はホアキン・フェニックス。重くハスキーな歌声で、男の生き様を哀愁たっぷりに。
そしてリース・ウィザースプーン演じるヒロインのジューンは、溌剌とした明るい美声を響かせる。
この対比がそのまま役柄と重なります。
ジョニーは才能に恵まれながら、幼少期に出来のいい兄を亡くした経験などから
脆さと凶暴さを同時に抱える繊細な男。
一方ジューンは幼いころからスター歌手として活躍、華やかな世界に生きながらも
誰に対しても性格が良く、知的で家庭的なキャラクター。
ジョニーは出会う前からジューンに憧れており、一緒にツアーすることでその想いを深めます。
ジューンもそれに気づくものの、お互い家庭があることを理由に決して首を縦に振らない。
寂しさからドラッグに手を染めどんどんダメになっていくジョニーと、あくまで毅然としたジューン。
ジューンも本当はとっくにジョニーに惹かれている。でも何も言わない。想うからこそ。
とにかくジューンを演じるリース・ウィザースプーンが素晴らしかった!
ブロンドを黒髪に染め、50年代風のワンピース姿がとってもキュート。
舞台の上でキラキラと輝く姿には、ジョニーでなくても惚れてしまうし
舞台を降りて、ひとりの女性として一生懸命生きている姿勢も実に魅力的。
これまでのラブコメ路線とは違う、別の女優魂に素直に感動しました。アカデミー主演女優賞も文句ないです。
ジューンが嫌味のない清冽な女性だからこそ、この物語は生きてくるんだよね。
底辺まで落ちきってしまうのに、何故だか憎めないホアキンの演技も良かったです。
クライマックス、どん底のジョニーを救う手・・・ここでのジューンは女神のように神々しい。
ふたりが結ばれたところで映画は終わり、残りの人生は短い字幕で語られるのみですが
死ぬまでそばにいたという、その簡潔さが逆に胸に響いた。実話だもんなあこれ。


ウォーク・トゥー・リメンバー

スーパーアイドル、マンディ・ムーアの初主演作。
マンディはどうも「プリティ・プリンセス」での金髪のいじめっ子なクラスのリーダー
のイメージが強かったのですが、髪をブルネットにし、ダサくて冴えない女の子に挑戦しています。
高校生同士の純粋で清冽な恋愛をテーマにしていて、それ自体はアイドルの王道ですが
彼女ほどのポップ・イメージが確立された人がこういうのやるのは面白いね。
同時期に売り出された彼女の音楽ビデオを見てると更に仕組みがわかって面白いんですが
その話はまた別にするとして。

マンディ演じるジェイミーは、お父さんが牧師の厳格な家庭に生まれ育ち、
自らも慈善事業と天体観測が趣味で、年中同じセーターを着ているという、クラスでも浮いた存在。
相手役のランドンは好対照。両親の離婚以来、悪い仲間と付き合いトラブルを起こす問題児。
そんなふたりが課外活動(強制)や演劇の練習で近づいていく。
しかし、彼らが無事くっついて終わりかといえばそうではありません。これから。
すっかり恋に落ちて幸せな若いふたり、
特にランドンは自分を見つめ直し、気持ちも新たに人生を歩みなおそうとしている矢先
ジェイミーから衝撃の告白が。
「私はもう治らない白血病で、先は長くないの・・・」

ベタです王道です。
でも、一度は失意の底に突き落とされながらも、頑張ってジェイミーを励ますランドンの健気さ、
運命を受け入れた上で、最後の人生をしっかり生きていこうとするジェイミーのつよさ、
これが高校生カップルだからこそ美しく輝いているのです。
ふたりとも結局まだ子供だし、特にランドンは自分の無力さを実感して苦悩するんだけど
悩みながら大人へのステップを確実に踏んでいるのがわかりやすくて良かった。
ふたりがいちゃいちゃしてるシーンは純粋に羨ましいし。
ただそんなロマンスのシーンも、闘病生活も、その他この映画全てにおいて
表現が美しすぎるな、とは思いました。
ラストもジェイミーが死ぬところは映さず、結構あっさりしているし。
それもあって個人的には泣けなかった。別に泣くのが良い映画だとは思ってませんが
この映画の評を見ていると号泣したという人が結構多かったもので。
嫌いじゃないし、主演ふたりの演技もうまくて、王道っぷりが嫌味でないんだけど
微妙に山場を外しているんですよね。
ださかったジェイミーが美しく化ける演劇のシーンをもっと後半にもってきてもいいのではと思ったし
例えばランドンが地面を叩いて泣き叫ぶ、なんてシーンがあれば強烈な印象を残すでしょうが
そういうのが無かった。非常にあっさりです。
とはいえ、控えめながら雰囲気の良い場面はいくつかあって、
ランドンとジェイミーのデートする夜のレストランも女の子だったら憧れるだろうし
個人的に一番気に入ったのは、ランドンがお母さん(ダリル・ハンナですよ!)にダンスの練習を頼むところ。
反抗してばかりだった男の子が、大人に一歩近づくのを如実に表わしてて好感。
演劇の場面でマンディの歌声も聴けます。サントラにも収録されている素敵なバラードですが
1曲まるまる歌うのはきつかった。せめて1番くらいで。
このへんはアイドル映画だから仕方ないのだけどね。


ウォルター少年と、夏の休日

ハーレイ・ジョエル・オスメント君主演、ということよりも
個人的には御大マイケル・ケイン(とロバート・デュヴァル)が出演していることに期待してたのですが
これがもう予想以上に素晴らしい映画!キャストもストーリーも
すべてにおいて上質な、見応えのある良い作品でした。

父親のいない孤独な少年が田舎に住む大おじさん兄弟に預けられ、
そこでの生活を通して成長していく、とだけ聞くと「しっとり系感動ものね」と思うかもしれませんが
この作品をより一層面白くしているのは、おじいさんの回想シーンでの
なんとアラビアン・ナイトのような、手に汗握る大活劇!!
おじいさんが聞かせてくれる昔話は、信じられないくらい奇想天外なもの。
第2次世界大戦で騙されてアフリカに連れて行かれ、
超人的な活躍ののち、族長の美しい娘と恋に落ち・・・
ここではいかにもハリウッド的豪華さとアクションで、もう1本分の映画を見てるようなお得さ。
その昔話と平行して、現在の生活が描かれるのだけど
普通じゃないじいさんふたりは、若者相手に喧嘩したり(そして余裕で勝つ)
動物園からライオンを買ってきたりと、滅茶苦茶に面白い。
屋根裏の謎の写真と倉庫の謎の大金も、話をますますスリリングにする。
これはもう、誰もがウォルターのように永遠にここにいたい!と思う訳だ。

ラストは泣いてしまった。私は、普段は良い映画観ても目が潤む、程度で
涙を流すことはあまりしない人間なんだけど、
この映画では素直に泣かされてしまった。思った以上に泣けた。
でもかなしい涙じゃない。それはウォルターの気持ちと一緒のはずで
誇らしい、変な言い方だけど前向きな涙でした。
ここからは私事なのですが、丁度1年前くらいに祖父が亡くなった時
凄く大好きな祖父だったけど私は一滴も泣かなかった。
それはもちろん、実感がなかったとかいう理由もあるだろうけど、
うちの祖父はずっと元気でやりたいことやって、本当に人生を堪能した人だというのを
幼い頃から、傍から見てとてもよくわかっていたから、
悲しい悲しいと泣くのはちょっと違うんじゃないかなって。
そしてこの映画を見て、涙を流しながら祖父のことを思い出して、
余計に泣けた。祖父の死以来、初めて祖父を想って泣いた。
立派に生きる、それがなんて素晴らしいことなのか
改めてわかったからだと思う。この感動は祖父に捧げる。


運命じゃない人

レビューサイト「映画生活」で公開されてからずっと1位だったもんで
そんなに面白いならどれ、見に行くかということで、久々に邦画を映画館で鑑賞。
劇場のユーロスペースは満員でしたよ。
ストーリーは、婚約者に逃げられて気落ちしている、トロいサラリーマンが
親友に夜のファミレスへ呼び出されるところから始まります。
そこで親友に「いつまでも落ち込んでちゃダメだ!あそこの女の子をナンパしよう」と誘われ
気乗りしないながらも話しかけ、宿がない彼女をなりゆきで家に泊めることになり
結局彼女は途中で帰るんだけど、勇気を出して追いかけて電話番号ゲット!
自分の殻を破ることができた主人公・・・よかったよかった。
・・・というのが「表向きの」一部始終なのですが、ただのちょっといい話で終わらせやしない。
実はこのほのぼのとした物語の裏に、ヤクザの大金の攻防戦と、男女4人の思惑が絡み合ってたなんて
誰が気付くでしょうか!私が主人公なら気付かずぼんやりしてるに違いない。
そう、この話はオムニバスのようになってて、主要キャラ5人の視点から描かれます。
非常によくできた、ユーモラスかつスリリングな脚本に舌を巻く。
「えっ、実はこの台詞はこういう意味だったのか!」
「なるほど、ここでこいつがこう動いてたわけね・・・」
「ああ、このシーンの裏にはこんなドタバタが」
などなど、次々と秘密が明かされ、その鮮やかさに驚かされます。
逆に私は、上手くまとまり過ぎて、物足りなかったくらい。
そのくらいよくできた脚本です。監督の手によるもの。
ヤクザとか出てくるけど、全体的にのんびりとした、とぼけたムードに包まれてるのもいい感じ。
ラストのオチも効いてます。
これはあんまり前情報入れずに、監督にだまされるのが楽しい観方!


エイプリルの七面鳥

試写会で当たって見に行ったのですが、予想したよりずっと良かった!
(余談ですが、今年は試写会の当たり年だった。東京だから量も多いし)
ストーリー:
今日は感謝祭。アメリカではこの日に七面鳥を家族で食べるのが恒例である。
NYの汚いアパートに住むエイプリル。パンキッシュで料理も全然出来ない彼女だが、
今日だけは早起きして七面鳥料理に取り組む。
何故なら、故郷の家族を招待しているから。
母親とそりが合わず数年前に家を飛び出したエイプリルだったが、
その母親が病気で余命いくばくもないことを知り、意を決したのである。
しかしトラブルは次々と起こる。オーブンが壊れてしまい、アパート中を駆け巡る羽目に。
やさしくて頼りになる同棲中の彼氏も、出掛けたきり戻ってこない。
一方、NYに向かう家族の車も複雑な想いで走り続ける。
果たして無事七面鳥は出来上がるのか?そして家族は再生できるのか?

「ドーソンズ・クリーク」で人気を博したケイティ・ホームズが、パンキッシュな女の子を好演。
母親役のパトリシア・クラークソンも、04年のオスカー助演女優賞ノミネートをはじめ、
様々な章を受賞し高い評価を受けています。
監督は「ギルバート・グレイプ」の脚本をつとめた人物で、
コミカルながらも、全体的に詩的なセンスで品良くまとめられた作品。
何か特別大事件が起こるわけではなく、こじんまりとしているけど、
それだけに体温を感じるやさしいお話でした。
まずエイプリルが可愛い!黒アイメイクなパンク・ガールだけどガーリー。
黒人の彼氏もすごく格好よくて(顔ではなく言動が)、愛に溢れていて羨ましいほど。
アパートの住人とのやりとりも笑える。
貧乏だけど情に厚い黒人夫婦やベジタリアンの女性、英語が話せない中国系の大家族、
偏屈な潔癖男・・・と様々な人々がひとつのアパートに暮らしている。さすがNYだ。
後半、家族がいったんはエイプリルのアパートに辿り着くんだけど、
あまりの汚さに驚愕して引き返してしまうシーンがあって、この母娘の関係を端的に現してるなと思った。
エイプリルは確かにがさつだし家事もできないけど、
観客にして見れば、母親が悪魔呼ばわりするほど悪い子ではない。
だけどこの家族は教育熱心で保守的な、アメリカの白人中流階級なのだ。
娘を慎ましくやさしい女の子に育てようとした母親にとって(妹はそう)
ピアスやタトゥー、万引き、黒人の彼氏といったキーワードは完全にタブー。
そういう母親の嫌悪感と娘の反発は、とてもリアリティがあって凄く良かった。
”母親が余命わずか”という設定がされている以上、突き抜けたハッピーエンドにはならないが
それでも最後に、全てが穏やかに包み込まれる、その感覚が非常に心地よい作品。


エターナル・サンシャイン

主役ふたりのキャスティングがいいわあ ジム・キャリー&ケイト・ウィンスレット。
ジム・キャリーは普通にしてるとほんとアメリカ的なイケメンだ。
私の中では、ジム・キャリーとユースケ・サンタマリアは同じ分類です。
ケイト・ウィンスレットはどっしりした存在感に前から好感抱いてたけど
こういうキテレツな役も似合う! むしろ可愛らしい。

失恋を乗り越えるため、彼に関する一切の記憶を消した女
それに気付いて、自分も同じようにしてもらおうとする男
《治療される側》の男の記憶の旅と
《治療する側》がいま生きる現実。
まったく別次元のはずのこのふたつが、絶妙に絡み合っていく
その脚本の妙にほれぼれ!
というか、キルスティン・ダンストが記憶を消す会社の人間として出演するのは知ってたけど
これほど物語に関わってくるとは思わなかったから
先の読めない展開に、どんどん引きずり込まれてしまいました。

ミシェル・ゴンドリー監督だけあって、もちろん映像も超エキサイティング!
見ているだけでかなり楽しめます。
でもやっぱりそれだけじゃなくて、この作品が賞獲ったりしたのは
根元のラブストーリーの部分が、実にピュアで美しいからだろうなあ。
邦題だとカタカナで「エターナル・サンシャイン」だけど
実際のタイトルは「Eternal Sunshine Of The Spotless Mind」
つまり一転の曇りもない記憶に、いつまでも降り注ぐ陽の光
素敵な想い出というのは、きっとそういうものだ。
そしてどんなことがあっても、いつだって現実に反映されてゆく。


エバー・アフター

ドリュー・バリモア大好き!
彼女が出演してるだけで、映画を見る気になるね私は。
このお話は、かの有名なシンデレラ伝説の再現。
だけどこのシンデレラは、ただいじめに耐えて魔法使いを待っていたわけではない!
パワフルで、勇敢で、賢くて、なによりとってもキュートなヒロインなのだ。
ドリューはぴったしですね。
ドリューって、太ってる分役が広がるっていうか、
色んな役がこなせて、すごく良い個性だと思う。
しかも太ってても可愛いのがすごいよ・・恐れ入ります。
中世のフランスという設定だけど、何故かレオナルド・ダヴィンチが出て来たり、
その割にはもうアメリカという国が建立されていたりと、時代は微妙(笑)
それがこの映画の楽しいところでもあるかな?
フィクションだけど、まるっきりフィクションという訳でもなくて、
特にキャラクター形成は現代劇に移しても全く大丈夫。
あ、魔法は出てこないよん。
ややご都合主義なストーリーで、特に男爵に捕らえられてからは、
マジで!? って感じもするんだけど(私が男爵だったら切れてるぞ)
このシンデレラならまあいっか、っていう、許容範囲の広い感じがする。
これは何も考えずに楽しむのが良ろし。
コメディ色が強いです。特に継姉!
この人演技すごい。なりきってる! 途中笑いっぱなしだよ。
頑張るシンデレラが、最後に幸せを掴むのはやっぱ気持ち良い。
ちょっと印象に残らない感じはするけど、見て損は無いです。


オータム・イン・ニューヨーク

リチャード・ギアとウィノナ・ライダー主演の恋愛映画。
NYで人気レストランを経営するプレイボーイのギアが、娘ほどの年齢のウィノナに出会い、
真実の恋におちるが彼女は不治の病であと1年の命・・・
という非常にベタなお話です。
正直、Jennifer Paigeが歌う「Beautiful」という主題歌が聴きたくて観たようなもんで、
実際まあ大して印象に残ってる映画でもありません。
というか、前半は特に、微妙に生理的嫌悪感があった。恋に落ちるのがはやすぎます。
いくらギアが格好いい紳士とはいえ、そんなにすぐベッドインしなくても・・・みたいな。
年の差も相当なものだし、しかもギアはウィノナの母親も泣かせたことがあるという設定(笑)
でもニューヨークの景色は抜群に綺麗です。
レストランや、ギアが住む高級マンションもさすがにお洒落で憧れます。
後半はちょっと良くなってきたかなーと思ったんですが
ウィノナは可愛いだけであんまり瀕死の病人って感じでもないです。
可愛いからいいんだけど。
ただし、最後ウィノナが死んだ後、彼女からのクリスマスプレゼントを受け取って
思わずギアが泣いてしまうシーン、あれは良かった。
プレゼントの内容もなるほど、と思わせるものだったし、ギアに中年男のさみしさが漂っていました。
主題歌、挿入歌など音楽のセンスも良かったです。


オーブラザー!

コーエン兄弟作品。
時は1930年代、アメリカの片田舎ミシシッピで、
3人の囚人達は、昔隠した宝がダムの底に沈む事を知り脱走するが・・
3人の行く末を待ち受けていたものは!?
ざっと説明するとこんな感じ。
ジョージ・クルーニーをはじめ、キャストの濃いこと濃いこと!
ある意味すごいよ画面。
この3人が、いろんな苦労を乗り越えながらお宝の元へと行くんだけど・・
もちろん一筋縄じゃいかないのです。
絶体絶命の危機は何度も訪れる。
だけどそれを、チームワークと運でなんとか乗り越えていく!
頑張れ3人!
細かいギャグのセンスが抜群で、特にジョージ・クルーニー最高!
ヘアネットをかぶって眠る囚人なんて聞いたことないぞ!?
金稼ぎするために、適当に歌手デビュー、しかもそれが全米で大ヒット!
大体ユニット名が「ズブ濡れボーイズ」なんて、その適当さが楽しすぎ。
始終笑いっぱなしでした。
でもそれだけじゃなくて、クルーニーの、奥さんの愛を必死に取り戻そうとするところとか・・
3人が真の友情でむすばれるところとか、
ラストの爽快感とか!
笑わせて、泣かせる。ツボがぎゅっと凝縮されてるの。
KKK団とかも出てきて、当時のアメリカを知るのも楽しい。
特に印象的だったのはアメリカの広さ。
どこまでも広がる小麦粉畑は、壮大で何故か悲しい。
現実を忘れて、ぱーっと入り込めちゃう。
実は古代詩「オデュッセイア」をベースに作られたこの作品。
コーエン兄弟の計算の深さに、思わず感激致します。


オペラ座の怪人

日本でもヒットした分、賛否両論あるようだけど、私は間違いなく好きです。
ストーリーや役者の演技によって以上に、音楽や美術でここまで感情が伝えられるとは。
今更私ひとりが褒めたってその権威ははるか雲の上ですが、アンドリュー・ロイド・ウェーバーは本物の天才。
どの曲も全て印象的で美しく、感情に満ち溢れています。
観終わった後に音楽が頭から離れなくて、ぐるぐると脳内を占められていました。
こればっかりは文章で説明しても仕方ないのですが。
特に印象的だったのはテーマ曲”The Phantom Of The Opera”と”Point Of No Return”
どちらも非常にドラマティックで、女声と男声の掛け合いによって更に盛り上がります。
また、CGや舞台装置といった美術関連も素晴らしい。
以前舞台の「オペラ座の怪人」を鑑賞したことがあったのですが、わかりやすい差はここかなあ。
(もちろん舞台版も様々な趣向が凝らしてあって良かったですが)CG技能が凄まじい。
物語は”事件”から何十年か経った後のパリからスタートして、当事者の回想というかたちで綴られていくのですが
現在の映像は白黒、本編の映像はカラーと区別されています。
そして冒頭部、白黒からカラーへと移り変わる部分が圧巻。
今はすっかりさびれたオペラ座でオークションが行われているのですが、埃を被ったシャンデリアがぐわーーと上昇していって
眠っていたオペラ座に光が蘇り、豪華絢爛の姿が徐々にあらわになっていく。鳥肌が立ちます。
はっきり言ってこれだけでもう8割方満足。
カラーになってからも実に細かいところまでつくりこまれていて、
精巧で華美なオペラ座のステージはもちろん、がやがやと活気溢れる舞台裏やバレエ研修生たちの質素な部屋
そしてもちろん、物語の核となる、じっとりと湿って薄暗いオペラ座の地下!ゴシックです。
印象的なシーンとしては、溢れんばかりの金色が舞い踊る「マスカレード」の場面は愉しく躍動的。
後半のクライマックスとなる劇中劇「勝利のドン・ファン」も大好き。
赤と黒を基調とした情熱的な舞台で、クリスティーヌとファントムの歌声が絡み合います。いやらしい!
もうこっちの身までめらめらと燃えてしまいそうに熱いシーン。

ストーリーは、古典としてよく知られていますしとてもシンプルです。
実際、以前舞台版を見たときは、ストーリーがやや中だるみ&物足りない(予測できる)かな、という印象を受けたのですが
今回はその欠点が完全に払拭された感じ。
映画が終わったとき、個人的には主役3人の気持ちが非常に理解できるつくりとなっていました。
<<以下ネタバレ注意>>

巷でよく「クリスティーヌが身勝手すぎる!なんだあの女」的な批判をみかけるのですが
私は彼女の行動におかしいところはなかったと思います。
”Point Of No Return”のシーンで、ファントムと超セクシーな絡みを披露しながらも、
そのまま婚約者ラウルを捨ててファントムと共に行くのかと思いきや、土壇場でファントムを裏切って
なんと公衆の面前で彼の仮面を剥ぎ取ってしまう。
当然ファントムは激怒し、結果彼女を地下に連れ去って無理矢理に閉じ込めようとするのですが。
クリスティーヌはずっとファントムを”音楽の天使”と慕っていて、両親のいない彼女にとっては誰よりも大事な存在。
一度その醜い正体を知った後でも、心の底から否定することは出来ないでいる。
だから健康的で誠実なラウルと恋に落ちて婚約した後でも、ファントムをかばったりする。
ファントム=絶対的存在、という公式は10年近く身に染み付いているし
何よりファントムの哀しく暗い瞳の中に、同じく孤独だった自分の持つ闇と共通するものを見てしまったから。
ここは大前提として、クリスティーヌ=才能はあるがどこか孤独で淋しい女の子、というのがある訳です。
もちろんファントムも、音楽の天才だが生まれつきの醜い容姿で、虐待されズタズタになったという過去を持つ男。
大袈裟に言うと、この映画では健全な愛/理性=光、芸術的才覚/感情=闇として描かれているのです。
反動として平凡な幸せに憧れて、ラウルと婚約したというのも道理にかなっています。闇は光を求めるものですからね。
クリスティーヌは、似た者同士だからこそ、ファントムと一緒にいては堕ちていくだけということを本能的に知っている。
マスクを剥ぎ取る=ファントムの愛と信頼への最も卑劣な裏切り、は、自分でも気付かぬうちにファントムに惹かれ、
今まさに愛が飽和点に達するその直前に、最後の最大の抵抗として、理性がそうさせたのだと。
”こんな醜い男と自分は愛し合っているのか”という自戒も込めているし、素顔はファントムの弱点ですから
弱点を刺すことで逃げようとする、ある意味動物の本能?の表れでもある。

愛していた、というよりも生きる糧に近い存在だったクリスティーヌに裏切られたファントムは
怒りと恥ずかしさ、そして絶望に駆られて、彼女を地下牢へ連れて行き、無理矢理結婚しようとします。
ここでわかるのは結局ファントムにとってもクリスティーヌは絶対的な存在だったということ。
清冽で可憐で才能溢れる少女クリスティーヌ。彼女を育て上げ、彼女を媒介にして自らの才能を世に放つことで
自己顕示欲や芸術への情熱をうまく消化させていたのでしょうし、
更に無垢なクリスティーヌに無邪気に慕われることで、自分の闇が浄化される感覚もあったのだと思います。
確かにファントムの愛情表現は歪んでいて恐ろしいものですが(人殺すしクリスティーヌ人形まで作るし)
普通の人間として愛し愛されたいという、狂おしいまでにピュアな欲求が根底に存在している。
ただし愛されたことのない彼はその感情をうまく処理できずに、異常行動に出る訳ですが。
クリスティーヌの裏切りによってその思考回路が暴走し、追ってきたラウルを生け捕って
クリスティーヌに「ラウルを助けたければ自分と結婚しろ」と詰め寄ります。
どう考えても破滅的なこの行動は、言ってみればヤケというか、
クリスティーヌに裏切られた=もう自分には何もない、じゃあお前ら全員死んでしまえ、的な発想。
まさか当のファントム自身も、クリスティーヌが自分と結婚してくれると思ってやってる訳じゃないし
彼女がどんな選択肢を選んだとしても、最終的にはラウル殺すつもりだったでしょう。むかつくもんね。
ところが、迷った挙句クリスティーヌは覚悟を決めて、おそろしい容貌のファントムに近づく。
そして思い切りキスをするのですね。
私はここで思わず涙が出ました。それは、クリスティーヌの凛とした決意、そしてファントムの
鮮やかなまでの心情の変化、両者の気持ちがぞれぞれ手に取るようにわかったから。
クリスティーヌは自己を犠牲にしてラウルを助ける方法を選びます。
しかし同時に、このキスは無理矢理したものではない。醜く、歪んでいて、かなしくて、可哀想なファントムのこともまた
心から救ってあげたいと思ったのです。
あまりに慈愛に満ちた口付け。それこそ女神か天使の如く、このクリスティーヌは気高い。
また私には、このキスで、更に自分の暗い部分にもゆるしを与えた、受け入れた、そういう風に見えました。
一方ファントム。
キスされた瞬間は、ファントムはまさに「!?」という感じで、自分の身に何が起こったのかわかっていません。
彼にとっては想定外にも程がある展開。まさか他人が自分に口付けてくれるとは、
まさかクリスティーヌが自分を愛してくれるとは・・・
そう、驚愕しながらも、彼は人間の本能としてこれこそが愛だということに気付いてしまう。
擦り切れるほどに切望した愛を、今この瞬間に彼は手に入れた。
クリスティーヌの愛が、唇を通じてファントムの体内で花が開くように広がっていく。
固く結ばれた感情がゆるやかにほどけていく。

だからこそ、ファントムはクリスティーヌとラウルを逃がしてしまうのです。
ファントムの究極の目的は、人間として愛されること。
満ち足りた今、もう力や残酷さにしがみつく必要はなくなったのだから。
恐らく自分自身でもどう対処していいのかわからない、新しい感情の渦の中で
半泣きになりながら地下室を破壊し、ファントムは歌う。「ショウの幕引きだ!」と。
もちろんファントムは、出来ることならクリスティーヌと一緒にいたかっただろうし
別の男に彼女を委ねたりしたくはなかった筈。それでも、自分を犠牲にしてもクリスティーヌを優先させたい、
つまりクリスティーヌがラウルに対して抱いた感情と同じものを、今やファントムが身に着けてしまった。
ファントムの悲しさ(ずっとファントムには”哀”という字を使ってきましたが、この場面では”悲”が相応しい)
孤独、敗北感、それに勝る達成感、感動、その表現が素晴らしいエンディングだと思います。

そしてラスト、白黒の世界に戻って、老け込んだラウルが墓苑へと向かう。
手にしているのは怪人が置いて去った、古ぼけた猿のおもちゃ。
それをそっと亡き妻・クリスティーヌの墓に添えるのです。
オペラ座の惨劇の後、ふたりは結婚し、恐らくクリスティーヌは専業主婦となって幸せな家庭を築いたのだと思われる。
ただしきっと、ふたりはファントムのことを口にすることはなかったでしょう。
お互いの心の奥底に、鍵をかけてそっとしまっておくべき過去。もしかしたらむしろ、過去どころか現在かもしれない。
クリスティーヌが死んで、オペラ座も取り壊されることになってやっと、
ラウルも気持ちの整理をつけることができたのだと感じます。ラウルとしては認め難いでしょうが、
やはりクリスティーヌはラウルを想う気持ちと同じように、どこかでファントムを気にかけていたことを。
そして、このラストが私は本当に好きなのですが、
ラウルが立ち去った後、クリスティーヌの墓石に置かれる一輪の赤いバラ・・・
物語はそこで終わります。
クリスティーヌとラウルが日常生活の裏で常に、密かにファントムのことを考えていたように
ファントムもまた、クリスティーヌをそっと見つめ続けていたのではないか。
この意味深な終わり方には様々な解釈を与えることができますが、
バラは何も語りません。ただ、そこにあるだけです。


女は女である

初めてちゃんとみたゴダール作品です。
今回ももちろんアンナ・カリーナ目当て。可愛い。可愛すぎる。
昔の、いや今までに存在する女優の中で一番素敵なのは誰?って言われたら、私アンナ・カリーナ挙げちゃうよ。
黒髪に、ぱっちりとしつつどこかアンニュイな瞳! 細い手足!!
ストーリーは「アンナ」よりはわかりやすい(笑) 割と良かった。
ミュージカルっぽいものを意識しているようで、結構ざっくばらんでしたが。
新妻のアンジェラは子供が欲しくてたまらない。
せがんでみるものの、「まだ早い」と言ってなかなか同意してくれない夫。
業を煮やしたアンジェラは、夫の親友で自分に好意を寄せている男と浮気するフリをして、
なんとか夫の気を引こうとするが、事態は思うようには転ばず・・・!?
しつこいけど、とにかくアンナ・カリーナ最高!!
ヴィジュアル☆5つ。ルックスもファッションも本当に可愛い。
冬が舞台なんですが、トレンチコートの着こなしやタイツの色あわせは、とても参考になります。
パリの街並みもほんと素敵だし。住みたいよ、ちょっと。
(「シャンドライの恋」ではローマ住みたい病が発病してたくせに・・・)
男性二人は、「アンナ」でも共演したジャン・クロード・ブリアリと「勝手にしやがれ」のジャン・ポール・ベルモント。
フランス映画の男って、なんでこう汗臭くならないんだろう。凄いよ。
始まり方のセンスとか、良かったし、成程これがゴダールね、と思うことしばしば。
途中多少飽きるけど、この際ストーリーは無視して下さい。
ラストは可愛くて良かったー
しっかいこのタイトル・・・どうなの? 今つくったら女性団体から抗議されそうな(笑)


陰陽師

家族で「陰陽師」ファンなので、母と妹と見に行きました。
うちは京都旅行の時、安倍晴明神社にお参りしたぐらい(当時まだマイナーだった)ぐらいだしよ。
キャストが最高!
晴明役の野村萬斎様、そして敵役の真田広之さん!!
もーこの2人が見れただけで幸せだよ私は。
萬斎さんは、実を言うと晴明の神秘性が足りないかなあなんて思ったのですが、
それでも充分上手くて、全然OK! って気になるね。
そして真田さんー! どこまでも悪役で居て頂戴!!
彼が亡者的になる後半よりも、びしっとした身なりをしている前半の方が好きで、
特に青音が宮中で刺された時、睨み合う二人! ああもう素敵すぎ☆☆
・・なんですが。
正直、映画は不完全燃焼。
ちょっとこれどうなのよ!?
岡野玲子ファンは、絶対「陰陽師」の幻想性とか、妖艶性とか、そういうのを期待してるのよ。
なのにこれじゃただの歴史アクション!
晴明も、思ったより奇抜な(笑)術とか見せてくれないし。
上手くまとまってはいるけど、こじんまりすぎて「陰陽師」の無限性とかが見えてこない。
原作は難しいからビギナーでも大丈夫なようにしたんだとは思うけど。
それでも手を抜きすぎじゃないの? 監督よ。
あとは脇役陣ね。
キョンキョンは好き。だけど何故今井絵里子が出てるのかしら。
正直浮いてます。もっと得体の知れない美女が良いよお。
あと、伊藤英明ね。
某HPで叩かれましたが(笑)言います、お前マジックマッシュルームなんか食ってるからこんなに下手なんだよ!
博雅の、可愛い純粋ぶりがでてない。それでいて豪気で優しいところ。
あれじゃただの未熟者だよ。
恋愛シーンでも、もうちょっと熱の入った演技を見せてくれれば良いものを・・
「陰陽師2」既に決定して、萬斎さんと伊藤英明は続投だそうですが。
まあ、顔はピッタリなので頑張って欲しい。多分次も見に行くし。





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